どうも、最近金がない。特に何に使ってるわけでもないし、バーチャもあんまりやってないからそんなに金が減るわけないんだけどな・・・。

と思いながらいろいろと考えてみたところ、コンビニでの買い食い(高校生か!)が結構な出費になってるということと、パチンコをまったくしてないということが原因との結論に至りました。なんやかんやで、月3,4万浮いてたので貧乏サラリーマンのわしとしては貴重な収入だったんだな。あらためてレレレの偉大さを確認する。

でも、貯玉もなくなったし足を洗うにはいい機会のような気もするので、もうしばらくパチなしの生活を送ってみようと思うのです。
テレビが壊れてしまって見られないんだが、意外と家族もなんてこともない。小3の娘なんか壊れたから仕方ないねとかいってテレビなくても大人しくしてるのが信じられん。わしがこいつの年だったらテレビ見たいといって大暴れしてただろうなと思う。今の子は総じて大人しいのか、うちの子が聞き分け良すぎるのかわからんけど・・・。

まあ、ずっとないままってわけにもいかないので、家族で家電量販店へ買い物にいく。わしはこの業界の人なのに普通のユーザーと同じように同じ条件で買わないといけないのが泣けるところ。この業界では競争激しすぎてお友達価格よりも、きっちり値引き交渉した人のほうが安く買えるんですよ、それはわしが保障するからがんばって交渉してください(笑、ただしそれなりに値の張るものだけね)。

28インチブラウン管からの買い替えなので、わしは当然のように37インチ液晶を押すのだが、家族全員の大きすぎるという猛反対にあい、やむなく32インチで涙をのみました。まあ安くなってよかったけどさ。

そのまま持ち帰っても良かったんだけど、空箱の始末とか廃家電の手続きとかめんどくさいので配送してもらうことに、よって火曜日まではテレビなしの生活ですな。ついに我が家もハイビジョン生活に入りますよん。

ご臨終です

2007年6月15日 日常
ご臨終です
我が家のワイドテレビ君が本日何の前触れもなく逝ってしまわれました(合掌)。思えば、ワイドテレビの初代機を高い金だして買ったのはよかったが、ほとんどの期間はワイドの恩恵は受けずに、かろうじて地デジ内蔵のレコーダーを買ってからの一年ちょっとの間だけ本来の力を発揮していただきました。

14年ぐらいもったからこの機種としては奇跡的な長寿命であったと思う。一度故障したときは、わし自ら回路部品を買って直して思い切り安く上げたのであった。つか、サービスマンでもないのによく修理なんかできたよな(よい子はまねしてはいけません)。

ご臨終において、いままでのご活躍を顕彰したいところだが、ほんというともう少しだけがんばって欲しかった。液晶テレビがもうちょっと性能上がるのを待ちたかったんだよなー(涙)。
【レイモンド・チャンドラー 村上 春樹訳 早川書房】

いやー、やっと読めました。だって、この本、分厚くてでかいからさ持ち歩けないんだよな。普段は新書とかをスーツの内ポケットとかジーンズの尻ポケットに突っ込んで、ちょっとした時間の合間に読んでいくんだけど、これは家で気が向いたときに読むしかなかった。ま、もともと旧訳は何回か読んでるので急いで読むこともなかったし。

で、村上版『長いお別れ』ですが、なかなかよろしいんじゃないでしょうか、世間では悪評を聞きますが、この雰囲気も悪くない、この作品に新しい命を吹き込んだという感じがしますな。読んでてまったく古びた感じがしないのに驚いた。

思いのたけがこもった解説も読み応え充分だし。まあ、料金分の価値はあるのではないかと・・・。

街場の中国論

2007年6月13日 読書
【内田 樹 ミシマ社】

もう『街場の中国論』出てるはずなんだけど本屋で見かけねえな、と思いつつ日々をすごしていたんだが、どうにも見かけないので中堅店で聞いたら担当者がこれから発注するところなので入荷はまだ分かりません、とのこと。どうも出版社がマイナーなためあまり大きくない書店では入荷が遅いみたいですな。お急ぎでしたら大型店かアマゾンとかでお求めになっていただくしかないです、と親切なご提案をいただいた。そのまま予約して入荷を待ってあげたいところだが、月末とかになったら泣けるので、申し訳ないが大型店で買いました。アマゾンが便利なのは分かっているが、なにしろ普段より本屋には立ち読み等でお世話になっている身、購入する本ぐらいはせめて書店で買ってあげたい。

で、そのマイナーな出版社の名前はミシマ社。どっかで聞いたなと思ったら、ウチダブログで書かれてた三島くんが独立して作った会社ですね、なるほど、これからも「街場」シリーズをウチダ先生にどんどん書かせてください。

内容は大変面白うございました。近代中国史についても勉強になりますが、なにより学問的な検証にとらわれず思ったことを爽快なぐらいばんばん書いているので、視点や発想の面白さにやられます。これはたしかに、専門の人には書けませんね。

なるほどと頷くところあり、へえーと感心するところあり、それは言い過ぎではと思うところありですがお勧めです。個人的には王道と覇道の話が面白かったです。
【二ノ宮 知子 講談社】

お、のだめの新刊をコンビニで発見。当然のようにその場で立ち読み、読了。いつもスイマセン。

特に大きな展開もなく平和でした。

逆立ち日本論

2007年6月11日 読書
【養老 孟司; 内田 樹 新潮社】

面白かったです。養老ファンよりは内田ファンのほうにお勧めかな。ほとんど内田氏が話してます(養老先生の話はやばすぎてほとんどカットされたそうです)。

わしのように、片端から内田樹の文章読んでる者には読んだ文章、内容が多いんだけど、まあそれはいつものこと。二人の大放談を楽しみました。新書でない分若干値段はお高いが、個人的には充分満足。やはりユダヤ関係の話が面白いです。
昨晩は、宝島台原店の公式大会に行って1ポイント。本日は、仙台地下セガで1ポイント、トータルポイント13ポイントか・・・フルコンプの82ポイントなんて取れるのか?遠い遠いはるか遠い話だよな。どっちもねえ、ベスト8ぐらいまでは行くのでもうひとがんばりできればポイントもアップするんだけどねえ、それには実力がねえ。お馬鹿なミスがねえ・・・涙。

というわけで、家族サービスもほったらかしてゲーセンばかり行ってるので呆れられてます。ゲーセン知り合いがやたら増えて、大会ともなると話し相手に事欠きません。もう40代ですが、こんなことでいいんでしょうか?いいですね、はい決定。

■動画は最近自分の撮れてないんですが、猫助リオンが撮ってくるのを勝手にアップしてますんで下記より好きなの観てください。
http://www.moviecaster.net/search/?search=yamaneko
最初からそうなんだけど、この問題ってなんだかさっぱりわからねえんだよな。ことの流れというか起こった事は、ニュース解説とかみてればおおよそ分かるんだけどさ、なんだか腑に落ちないのだ。

そんなおり、内田樹氏が非常に納得のいく解説をブログにアップしている。
社保庁問題がメディアを賑わせている。
これだけのミスが累積するのだから、構造的にもいろいろとむずかしい問題がある制度なのであろうが、それにしてもここまで問題を深刻にしたのは歴代の社保庁の役人たちのメンタリティの問題だろう。
そして、そのメンタリティは悲しいかな程度の差はあれ私たちの社会の全域に瀰漫しつつある。
それは「前任者の不始末をなんで私が尻ぬぐいしなくちゃいけないんだ」という不満に「理あり」とする態度である。
「この不祥事の責任を問う」という言葉は勇ましいし、合理的に聞こえるけれど、実際には責任の淵源を探ってゆくと、最後に発見されるのは、誰でもやるようなわずかな事実誤認や見落としだけである。
ほとんどすべてのシステムトラブルは誰でもするようなケアレスミスから始まる。
そんなものにシステムをクラッシュさせるような力はない。
システムをクラッシュさせた責任は、「起源」にはない。
このことをみなさんはお忘れであるようなので、ここに大書するのである。

http://blog.tatsuru.com/2007/06/08_1023.php

おそらくこの記事は、これからブログを書籍化することがあれば、編集者がこぞって入れさせてもらいたいと思う記事だろうな。目からうろこ、すっぱり切れた論理ですね。

しかし、しかしですな、それでもなんか釈然としないのは、この問題の落としどころが見えないってところなんだと思う。絶対にでてくるであろうどうしても分からない件をどうするかって考えると、基準を厳しくとれば本当に払ったのにもらえない人が出てくるだろうし、緩くとれば払ってないけど払ったんだと言い張る人間にも支払ってしまう可能性がでてくる。そして、どっちに転んでも、ほーらやっぱり払わないほうが得だったんだって結論になってしまう。

まあ、わしが思うには、フリーライドして儲ける人間がいるのは癪だけど、払ったって言う人には支給してあげるしかないんじゃないのかな?金かかるけどさ。これで地に落ちた年金制度の信頼性がどうなっていくのか(なかばやけくそ気味だけど)楽しみにしてます。

竹光侍 2 (2)

2007年6月8日 コミック
【原作 永福 一成 画 松本 大洋 小学館】

すばらしい!これはね、もうほんとにすばらしい!!なにがすばらしいって松本大洋がだよ。この濃密で緊迫感に満ちた画は、ひとつの境地といって差し支えないと思う。

物語の視点が、一巻目の子供のものから第三者のものに移ったためより動きがよくなった。ストーリーもいいんだけど、それ以上に画で魅せる。宗一郎の心にすまう魔、売り払った愛剣「國房」の誘惑、あらたな狂気を持つ男、木久地真之介・・・第一巻での驚きが第二巻で確信に変わる、これはすごい作品だ。

しばらくのあいだ、わしは『竹光侍』のお勧め屋になる、読め。
『ゲドを読む。』を読む
文庫本サイズで200Pあって無料とくれば、文句のつけどころがありません。というわけで、わしは黄色をゲットしたので早速読む。

中沢新一の懇切丁寧な解説がついているというだけで充分読む価値はあるな。他に読んだことのある文章もあったが問題なし、楽しく読めました。この本がDVDの『ゲド戦記』の拡売にどれだけ寄与するかは疑問だが、少なくとも書籍の売り上げには貢献すると思う。これ読んだら、原作も読もうかなって思うもんな。

さすがに、映画について悪口は書かれていないんだけど、みんな微妙な言い回しで笑えます。書かれ方が「まあ、選択肢としてはありかな」みたいな感じだもんね。わしは映画は映画館で観てしまったのでもう観なくていいです(爆)。

この本、本屋ではカウンターの中に置かれてて、下さいっていわないと貰えないところが多いので、勇気を出して貰いましょう。
【加藤 鷹 幻冬舎新書】

立ち読み、あっという間に読める。新書ブームも極まれりで、最近は学者、ルポライターだけでなく芸能人や有名人も新書の執筆者に名を連ねるようになってきましたな。まあ、本書はいわゆる語りおろしだとおもうけど、内容はきわめてまとも。ただ、加藤鷹自身があちこちで言ってきてることばかりなので、特段の目新しさもない。

しかし、わしの知り合いの女子は彼のファンが妙に多いんだよな、八咫も含めて(笑)、やはりゴールデンフィンガー・・・。でも、文句をひとつ言わせてもらえば、彼プロデュースの出会い系サイトがあるんだが、わしがシャレで登録してみたら、シャレにならんくらい業者メール、というかポイント使用させるためだけのメールがくるので迷惑です(笑)、いや退会すればいいんだろうけどさ、めんどくさいので放置中、でも転送されてくるメールの多さにそろそろ嫌気がさしてきましたですよ。

いや、あらためていっておきますが、出会いを求めて登録したんじゃないですヨ、あくまでシャレ・・・。くる者は拒みませんけどね(爆)。
【松永 和紀 光文社新書】

著者は、元毎日新聞記者で現在はフリーの科学ライター、そして子供を持つ主婦。「あるある大辞典」の納豆ダイエット事件を皮切りに健康情報のおかしな点についてばっさばっさと切り捨てていく・・・のだが、おそらく大抵の人が予想しているのとは違った内容であると思う。

捏造したってことは明らかにどうしようもないんだけど、それを批判してる当のメディアもどうしようもない記事を連発してるんじゃありませんか、捏造まではしなくても違った研究報告をつなげての強引な三段論法。環境ホルモンやら添加物報道で危機感を煽るだけ煽って、その後の検証報告を記事にしない。オーガニック食品がほんとうにいいのか?昔はほんとによかったの?マイナスイオンは?水からの伝言は?と、ごもっともですとうなづける話がどんどん続きます。

わし自身も著者ときわめて近い思考方法なので、彼女の意見には全面的に賛同する。だからといってこれが正しい考え方だとまでは言わないが、多くの人にとりあえず読んでおけとはいいたい。健康報道に接するときの心構えが変わるはずです。好著。

寄生獣 (10)

2007年6月4日 コミック
『寄生獣』読み終わり。なるほど面白かった。これを不朽の名作とまではわしはいえないが、きちんとけりをつけて終わっているところは素晴らしい。

この作品は90年代前半から半ばまでの連載だが、60年代後半にはほぼ同じコンセプトのものを平井和正が書いているということを知っているわしとしては、どこまで評価していいのか実のところよく分からない。とりあえず、永井豪と平井和正の偉大さを再確認したのでありました。

同時代に読んでればもうすこし評価も違ったのかもな。このころってわしが人生で一番コミックを読んでなかった時期なんだよな。
【VF5】巧者に昇格!?
この土日の争奪戦祭りも、アイテムコンプしてしまったわしにはあんまり関係ないんだが、「金虹争でたらあげます。」と自己PRに書いてるので対戦相手には困らないだろうと、夜の部遅くに東部に顔出し。

意外にも東部は大盛り上がりで、宮城上位勢が勢ぞろいの感あり。称号Bの人たちの対戦を眺めつつ隣でちまちまと段位戦。気がつけば皆伝+1で、そこからヌルぴょんBLが乱入、サービスタイムに入ったらしくそのまま連勝し昇格しました(笑)。いやー、苦節12000試合の末ようやく称号ゲットいたしました(手を抜いてくれてありがとう)。その後、某十段に2連勝してポイントも少し増えたし、落ちないようにがんばります。

いやー、これでVERSION Cまでにすることもなくなってしまったので、プチ引退・・・はせずにサブでベネッサでもはじめようかと・・・でも技多すぎだよ(涙)。
見えすぎちゃって困るの【Google MAP  Street View】
グーグル新サービス批判 不穏当な場面 水着で日光浴、丸見え 
6月2日16時7分配信 産経新聞

 【ロサンゼルス=松尾理也】ネット上の地図をクリックすると、その場所の周囲360度の風景が映し出されるという、インターネット検索最大手グーグルが新しく開始したサービス「ストリート・ビュー」をめぐり、プライバシーの侵害ではないかとの批判が強まっている。

 「ストリート・ビュー」は、グーグルの地図サービスと連動した機能で、5月末に提供が始まった。現在、サンフランシスコやニューヨークなどの特定の都市が対象だが、グーグルは今後、範囲を広げていくとしている。

 ところが、利用者がこのサービスで街角を精査してみると、穏当とはいえない場面や、プライバシーの侵害すれすれの場面が次々に見つかった。

 サンフランシスコ中心部では、ビキニ姿で日光浴を楽しむ若い女性の姿も見つかった。

 また、さくを乗り越えてアパートに入ろうとしている男が写っていた。ネット上では、このサービスで映し出された風景から面白い場面を拾い出したブログなども始まり、人気を集めている。

 画像は、グーグルの撮影隊によって撮影されたもので、プライバシー侵害との批判を避けるため、公共の道路からの撮影に限定している。

 しかし、公共の場といっても、芝生で日光浴している姿や、アダルトショップに出入りする姿を全世界に公開されてもしかたがないのか、という疑問が噴き出してきた。

ストリートビューすごいなと思ってあちこちのカメラ見てたら、早速上記の記事が。
ストリートビューの案内はこちら、
http://maps.google.co.jp/help/maps/streetview/index.html

いや、しかし世の中ここまで来てしまったんですね。くりくり動いて操作感もいいし、ズームもスムーズ。こんなカメラがそこら中に設置されたら迂闊に出歩けませんね(笑)。
本日は代休のため、接骨院いって、パチ屋をのぞくも出てなくてそのままゲームコーナーへ。うーん、昼間ではあるが結構人いるな、スーツ姿もちらほら、みんな何してる人なんだろう?おそらくわしもそう思われてますな、山猫さん昼まっからサボってバーチャやってるよ、好きだねえってな。好きだねえってのはあってるが、わしは休日もスーツ姿なだけですから、念のため(笑)。

対戦の合間にゲーセン備え付けの月刊アルカディア(ゲーム雑誌)の最新号を読む。VERSION C情報が載ってるんだが、それを読むと今回はかなり良調整ではないかと思えてくる。パイ弱体化は痛いけど、ゲーム自体が盛り上がって何ぼだしな、これを機会に客足がもどるといいな。

あとは、VERSION Cまでの目標は皆伝戦を突破し称号になることだけど、これはほぼ無理だな。アイテムもコンプリートしてしまい単純に楽しんでるので、勝ちにこだわるモチベーションがあんまない。そのうえ集中力が続かなくて、凡ミス連発だし・・・。早くあがってくださいといろんな人から応援いただくのはありがたいんですが、やはりほら実力がね。

■動画
0529弐代目猫助(pai闘神)vs猫助(LI拳聖)
http://f.flvmaker.com/mc.php?id=jSrFdggS2olEKcM8_4XfDOR8jt7q4yj9p4Fo.D_ATHLWL_bQqEQGqpg7dI/zchk/JpXPN9bfkhcgRRiddeF4_ti6
月締めの業務を終えて、本日は部内で飲み会。まあ、たしかにたまには部内の親睦も図らないといけませんわな・・・と部長以外の全員がしぶしぶ参加。あたりさわりのない世間話をしながら焼肉食ってビール飲んでました。

で、やはり当たり障りのない話ばかりしてるから特に話題もなくて、なぜか霊とかUFOの話で盛り上がりだす始末。わしは「子は怪力乱心を語らず」(論語、述而篇)の立場を堅持する人なので、ますます会話に入れずに困ってしまう(笑)。

だいたいだな、わしは幽霊もUFOも見たことないし見る予定もないので正直なところどうでもいいのだ。そして、肯定派、否定派に分かれて不毛な議論する気もないし、白黒つけるもんでもないと思ってるので、どう思う?とか聞かれてもどうでもいいと思ってますと答えるぐらいしかないんだよな、場を白けさせてしまうのは申し訳ないけどさ。

よく、飲んでるときは政治、宗教の話題はNGってのがあるが、霊魂話も宗教に含めてNGにしようよと思う私でありました。
【アルベール・ジャカール ユゲット・プラネス 吉沢弘之 訳 徳間書店】

福岡伸一の『生物と無生物のあいだ』を読んでこの本を思い出したので、本棚から引っ張り出し再読している。1999年出版なので少し前の本だが、わしには珍しくあちこちに傍線が引かれてて、当時はずいぶん真剣に読んだよなと思い出す。ジャカールはフランスの遺伝学者で哲学にも造詣が深く、この本は30の項目について高校教師のプラネスの質問にジャカールが答えるという体裁になっている。

で、なんでこの本を思い出したかというと、「生物学」という項目があり、まさに生物と無生物の境界とは何かということについての印象的な言及があったからなのだ。そこには
無生物と生物の違いは、複雑性の程度の差からくるものです。したがって、その違いは、複雑性が与えてくれた力から生じたものなのです。二つの範疇のあいだには境界線がなく、さらなる複雑性へとつねに向かう連続性があるだけです。
という驚くべきことが述べられていたのである。つまり、生物と無生物のあいだに境界線なんかないよと、あるのは複雑さの違いだけだよと。

この本は、それ以外の項目もわしにとって刺激に満ちた内容で、かなり影響を受けた。内容は入門書だし、一項目も短いので目に付いたら(本屋にあるかどうかは疑わしいが)読んでみてください。
【福岡 伸一 講談現代新書】

福岡伸一ってどっかで聞いた名前だなあと思ってたら、2004年に読んだ『もう牛を食べても安心か』の著者であった。
http://diarynote.jp/d/62692/20041223.html
このレビューにも書いているが、この人は科学読み物の書き手としてはほんとうに優秀だと思う。読みやすく分りやすい文章で、科学の世界を興味深く紹介してくれる。本書もまた分子生物学の世界を、表現豊かな文章で案内してくれる。

筆者は文章を書くこと自体が好きなんだろうと思う、風景描写やいろいろなたとえ話が多くて、新書としては厚めの280Pの分量になってしまった。でも、一見、冗長に思える寄り道も彼の世界を見る目がどのようなものかがうかがい知れて非常に興味深い。

本書は、生命とは何か?という問いに対して、単に自己複製をするシステムというだけではなく、われわれが世界の中に見出す生物と無生物のあいだにはもっと違ったダイナミズムがあるのではないかということを語っているのだが、そのなかでもシェーンハイマーの動的平衝論の部分は、わくわくしながら読めること請け合いであるので是非読んでみてほしい、お勧め。

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