相棒-劇場版-絶体絶命42.195km東京ビッグシティマラソン
わしは、この元になるドラマも観てないし、そもそもドラマのスピンオフの映画というもの自体にまったく興味がないんだが、ひょんなことから観てしまいました(笑)。

結論から言えば、思った以上に面白かった。強引ではあるが物語をぐいぐいと引っ張っていく展開はそれなりにどきどきするし、こういった映画としてはまさに求められているものだと思う。キャラクターもしっかり生かされていてドラマファンも(多分)納得の出来なのではないだろうか。しかし、この映画のすごいところはもっと別のところにある。

それは、テレビ朝日開局50周年記念映画なのに、堂々とテレビ批判を繰り広げてしまっていることだ。最初に殺されるのはテレビキャスターだし、よくこの内容で作れたよなと感心してしまう。

以下、ネタバレあり

観ればすぐ分かるが、この映画が題材としているのは「イラク日本人人質事件」であり、そのときのマスコミをはじめとする自己責任論を振りかざした人質バッシングである。このときの批判(マスコミ、政府、国民)の為になんとストーリーの後半は費やされてしまう。事件の全貌が明らかにされて、あとは話の締めと後日譚ぐらいで終わりかなと思ってから、かなりの時間を費やして、その部分にフォーカスが当たって湿ったドラマが展開するのだが、そのために回収しきれていない疑問がいっぱいあるんですがね。そもそも先輩はなんで青酸カリのんでぴくぴくしてたのかとか、あんだけ人殺しておいて元総理には殺すふりだけですかとか、そもそもあんな猟奇的な殺しかたしておいて同情はひけないだろうと・・・。

とりあえず、前半を面白く作ってじつは本当にやりたかった後半をむりやり作ってしまったという、監督なのか脚本家なのかわしにはわからないが、きわめてアクロバティックな作られ方をした映画でした。

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