罰ゲームの思い出

2007年11月25日 日常
ラジオを聴いていたら罰ゲームの話題が出ていて、ふと学生時代のひどい罰ゲームのことを思い出した。

わしは弓道部に所属する一回生で、同じ下宿(下宿ですよ、20年前の当時ですらすでに珍しかった)に四回生の先輩が居てなにかと可愛がってもらっていた。軟弱な弓道部とはいえそこは一応体育会、上下関係は厳しく先輩のいうことは絶対でありました。その先輩は、よく、試合で活躍したからとか、頑張ったからとかいっては飯をおごってくれるとてもいい人なんだが、たまに変な悪戯心が湧いてくるらしくそれの被害に遭うことがよくあった。

その時は、なにかの試合で無理やり賭けをさせられたのだが、一定以上の成績なら焼肉を奢ってもらえる代わりに駄目だったら罰ゲームで同じ一回生の女の子に告白をしろというものだった。わしの代の女子は三人いたんだが、近年にない当たり年といわれ、可愛い、まあ可愛い、普通(わし判断)と揃っていた。そのうちのまあ可愛いA子に告白しろと相手までご指名なのであった。

結果、試合は駄目だったのだが、建て前では部内恋愛禁止のわが部の最上級生がそんなことさせるわけないと高をくくっていたわしは、焼肉を逃したことだけを悔しがっていた。ところが、どうも本気らしくどうしてもわしに告白させようとするのだ。

「振られるのはべつにいいですけど、もしOKされたらどうするんですか?それにどうしてもっていうならB美のほうがいいんですけど・・・」
「あかん、A子や。OKやったら付合ったらええやろ。それにやらんっていうんか?いままで俺はお前が成績残したときはちゃんと焼肉奢ってやってきたぞ。それで自分が負けたときだけはなんにもせんていうんはあかんやろ。」

これは、逃げようがない、あとは口裏合わせで告白して振られたことにしてもらおう。と、思ったら
「裏はきちんととるからな。口裏合わせようとしてもあかんでー」と釘を刺された。

さて、覚悟を決めたわしは、A子を部活終了後に呼び出し告白したわけだが、なんとか断ってもらおうと遠まわしに断る方向に誘導するもこちらに気を使ってかなかなか結論を出してくれない。けじめをつけたいからと無理やり二択を迫り、話を断るしかない状況に追い込みようやくごめんなさいと断ってもらった。

そのとき、わしの心にはなぜかピューと音を立てて冷たい北風が吹いていった。好きでもない女でも興味のない女でも、どんなかたちであれ振られるということ自体がショックだということをわしはその日に知ったのでありました。

その後わかったことだが、どうもその頃四回生の別の先輩がA子にモーションをかけていて、それが上手くいきそうな気配だったので、そこにわしを絡ませると面白いことが起きるかもと思ったのが発端だったようだ。悪気がないだけによけいに悪魔的なひとでありました。

A子は、その先輩と付合いつつも同期とも二股をかけ、どろどろしながらも最終的には先輩と結婚しました。わしは、そのとき以来、同じ部や組織や取引先の女性には絶対に手を出さないでおこうと誓い今に至ります。

しかし、わしもこんなこといまだに覚えてるんだから、よほどショックだったんだろうな(笑)。

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