文藝春秋 2007年 08月号 [雑誌]
2007年7月10日 読書 コメント (1)
内田樹の『昭和人よ―吉本隆明、江藤淳、鉄腕アトムへ』と題された文章があったので立ち読み。大変面白かったので買いました。しかし、ウチダ先生、忙しい忙しいといいつつ『下流志向』が売れてからは雑誌での露出がすごいですね。まあ、2億円貯めて芦屋に合気道の道場を建てないといけないからがんばって稼いでください(笑)。
内田樹の言う「昭和人」とは、昭和生まれの人という意味でも昭和に育った人という意味でもない。敗戦という断絶をどう生き延びるかということを個人的に避けて通ることのできない思想的・実践的課題として引き受けた人々のことである。かれらは、断絶を受け入れねばならないという現実と受け容れがたいとする思いの間の相克のうちに生き、「昭和人のエートス」ともいえるべきものをかもしだしていた。
内田樹は、まさに終わろうとしている「昭和人」たちの時代を、その後の日本が見るべき精神文化をほとんど生み出さなかったという自戒をこめて、せめて書き留めておこうとしている。
ブログでも「昭和人」についての言及があった記憶があるが(ウチダ先生のことだからこの論考を書いたときにエッセンスをブログにも書いたんだと思うが)、吉本隆明、江藤淳、鉄腕アトムを絡めた考察は非常に面白いのでお勧めです。
内田樹の言う「昭和人」とは、昭和生まれの人という意味でも昭和に育った人という意味でもない。敗戦という断絶をどう生き延びるかということを個人的に避けて通ることのできない思想的・実践的課題として引き受けた人々のことである。かれらは、断絶を受け入れねばならないという現実と受け容れがたいとする思いの間の相克のうちに生き、「昭和人のエートス」ともいえるべきものをかもしだしていた。
内田樹は、まさに終わろうとしている「昭和人」たちの時代を、その後の日本が見るべき精神文化をほとんど生み出さなかったという自戒をこめて、せめて書き留めておこうとしている。
ブログでも「昭和人」についての言及があった記憶があるが(ウチダ先生のことだからこの論考を書いたときにエッセンスをブログにも書いたんだと思うが)、吉本隆明、江藤淳、鉄腕アトムを絡めた考察は非常に面白いのでお勧めです。
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