ゲド戦記

2007年7月3日 映画
まえに映画館で観たときは(あまりに期待度が低かったため)まあ、どん底ってほど悪くもないんじゃないって思ったわしだが、このDVD発売に向けたジブリによるメディアミックスされた宣伝投下に(マーケティングとしては優れていると認めつつも)妙に腹が立ってきたので、思い切り悪口を書かせていただく。

駄作だ、絶対買うな。少なくともこの作品が『ゲド戦記』を名乗ることは犯罪的である。

世界三大ファンタジーと称されるこの作品に少しでも敬意を払えるなら、これだけのストーリーの改変が許されるわけがない。『指輪物語』は、三篇に分けられ壮大な映像抒情詩としてピーター・ジャクソンによって映画化された。『ナルニア国物語』はディズニーにより、児童文学らしいわくわくする冒険譚として作られた。なのに『ゲド戦記』は、エピソードをつぎはぎさせられ、意味を変えられ、そしてあしざまに改ざんされた。結果、薄っぺらな倫理観を声高に叫ぶだけのどこにでもあるような作品になってしまった。

そもそも内容も語っていることも深さも違う作品なのに、原作は世界三大ファンタジーとかの文言が宣伝に踊るのはもはや詐欺行為としか思えん。作ったもんは売る、製作費用を回収してなんぼが映画の世界だろうとは思う。しかし、ジブリは本当にこの作品を自信を持ってユーザーに観て下さいと薦める自身があるのか?がんばったんだけど、こんなもんになっちゃいました、でも(そこは商売なんで)買って欲しいんですよね、といった恥じらいが感じられればまだいいんだが、あまりの堂々っぷりにわしは呆れてものもいえんわ(かなり言ってるけど)。

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