最初からそうなんだけど、この問題ってなんだかさっぱりわからねえんだよな。ことの流れというか起こった事は、ニュース解説とかみてればおおよそ分かるんだけどさ、なんだか腑に落ちないのだ。

そんなおり、内田樹氏が非常に納得のいく解説をブログにアップしている。
社保庁問題がメディアを賑わせている。
これだけのミスが累積するのだから、構造的にもいろいろとむずかしい問題がある制度なのであろうが、それにしてもここまで問題を深刻にしたのは歴代の社保庁の役人たちのメンタリティの問題だろう。
そして、そのメンタリティは悲しいかな程度の差はあれ私たちの社会の全域に瀰漫しつつある。
それは「前任者の不始末をなんで私が尻ぬぐいしなくちゃいけないんだ」という不満に「理あり」とする態度である。
「この不祥事の責任を問う」という言葉は勇ましいし、合理的に聞こえるけれど、実際には責任の淵源を探ってゆくと、最後に発見されるのは、誰でもやるようなわずかな事実誤認や見落としだけである。
ほとんどすべてのシステムトラブルは誰でもするようなケアレスミスから始まる。
そんなものにシステムをクラッシュさせるような力はない。
システムをクラッシュさせた責任は、「起源」にはない。
このことをみなさんはお忘れであるようなので、ここに大書するのである。

http://blog.tatsuru.com/2007/06/08_1023.php

おそらくこの記事は、これからブログを書籍化することがあれば、編集者がこぞって入れさせてもらいたいと思う記事だろうな。目からうろこ、すっぱり切れた論理ですね。

しかし、しかしですな、それでもなんか釈然としないのは、この問題の落としどころが見えないってところなんだと思う。絶対にでてくるであろうどうしても分からない件をどうするかって考えると、基準を厳しくとれば本当に払ったのにもらえない人が出てくるだろうし、緩くとれば払ってないけど払ったんだと言い張る人間にも支払ってしまう可能性がでてくる。そして、どっちに転んでも、ほーらやっぱり払わないほうが得だったんだって結論になってしまう。

まあ、わしが思うには、フリーライドして儲ける人間がいるのは癪だけど、払ったって言う人には支給してあげるしかないんじゃないのかな?金かかるけどさ。これで地に落ちた年金制度の信頼性がどうなっていくのか(なかばやけくそ気味だけど)楽しみにしてます。

コメント

nophoto
よもり
2007年6月11日7:10

照合は大変な作業になると思います。
安倍首相は「1年でやる」といいましたが、大丈夫なんでしょうかね。そんなこと、言わない方がいいのにと思います。

政府の最高責任者から「1年でやれ」と言われたら、役人は1年でやっちゃいます。仮に3年かかる作業量であっても、1年で終らせて「はい、できました」と言います。それが役人の習性です。

今の段階で、1年という期限を切っちゃうのは、危険だと思うなあ。

山猫
漆黒
2007年6月12日23:25

>よもり
よもりさんコメントありがとうございます。ここはだれかが腹をくくって旗を振って欲しいです。責任者探ししてても解決に向かいませんしね、何年の時間とどれだけの費用がかかるのかわかりませんが、見守っていくしかないですね。