【坂井 かをり 岩波新書】
がん緩和ケアと聞くと、末期のがん患者が治療をあきらめてせめて痛みをとり除き余生を送る、ホスピスとかで使われる技術だと思ってしまうが、それは大きな間違いであるらしい。
緩和ケアとは、がんによる耐え難い痛みを取り除くことであるのは間違いない。しかし、それは末期だけでなくがん治療とともに行われていくべきものであるというのが緩和ケアの考え方である。がん治療の副作用による、あるいはがんそのものによる痛みをできるかぎり取り除くことにより、患者の体力を温存しそして新たな治療にそなえること、副作用の痛みにより精神的に治療をあきらめてしまう人にももう一度治療をしようと思わせる気力を起こさせること、たとえ最後には死に至ったとしてもより長く平穏な日々を送れる可能性が高まり、がんと付き合っていくことが出来やすくなる。そういう新しい取り組みを紹介した本である。
著者は、NHKのプロデューサーで、がん緩和ケアの番組を作製しており、それにともなう取材が本書の元になっている。患者に対する実直なインタビューを繰り返しており、視線もたしかでていねいに書かれた本である。癌研有明病院がおもな取材先になっており、もうこの病院の回し者かと思えるほどの内容であるが、まあここが緩和ケアの最先端の病院のようなのでやむを得ないんだろうな。本書を読むと、はやくこういった治療が全国津々浦々の病院で行われるようになることを切に願うようになります。
わしの身の回りでも、がんに関する話ってのは結構あって人事でもないのでより興味深く読めた。お勧め。
がん緩和ケアと聞くと、末期のがん患者が治療をあきらめてせめて痛みをとり除き余生を送る、ホスピスとかで使われる技術だと思ってしまうが、それは大きな間違いであるらしい。
緩和ケアとは、がんによる耐え難い痛みを取り除くことであるのは間違いない。しかし、それは末期だけでなくがん治療とともに行われていくべきものであるというのが緩和ケアの考え方である。がん治療の副作用による、あるいはがんそのものによる痛みをできるかぎり取り除くことにより、患者の体力を温存しそして新たな治療にそなえること、副作用の痛みにより精神的に治療をあきらめてしまう人にももう一度治療をしようと思わせる気力を起こさせること、たとえ最後には死に至ったとしてもより長く平穏な日々を送れる可能性が高まり、がんと付き合っていくことが出来やすくなる。そういう新しい取り組みを紹介した本である。
著者は、NHKのプロデューサーで、がん緩和ケアの番組を作製しており、それにともなう取材が本書の元になっている。患者に対する実直なインタビューを繰り返しており、視線もたしかでていねいに書かれた本である。癌研有明病院がおもな取材先になっており、もうこの病院の回し者かと思えるほどの内容であるが、まあここが緩和ケアの最先端の病院のようなのでやむを得ないんだろうな。本書を読むと、はやくこういった治療が全国津々浦々の病院で行われるようになることを切に願うようになります。
わしの身の回りでも、がんに関する話ってのは結構あって人事でもないのでより興味深く読めた。お勧め。
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