日本公開も危ぶまれていた作品が、DVD化されレンタルでも普通に借りられる。『「ホテルルワンダ」日本公演を応援する会』のみなさんはさぞかし感慨深いことだろう、あなたたちのがんばりでわしもこの映画を観ることができた、ありがとう。

エンターテイメントとしてさほど面白い映画ではないと思う。ただ、実際にあった事件だということがひたすら重くのしかかってくる映画である。人間は、いとも簡単に隣人を憎しみを持って排除できる存在へと変わることができるのだ。絶え間なく流されるラジオの扇動によって、排除こそが正義だと心底思い込めることの恐ろしさ。未開の民だからではすまされない人間の暗部をまざまざと見せ付けてくれる。

そして、虐殺を知りながらなんら手立てを打とうとしない大国。なんの利益にもならない貧しい「ルワンダ」は、まさに世界から見捨てられた国であった。

これは、そんな絶望の中で孤軍奮闘しながら、結果として1200名のツチ族の命を救った実在のホテル支配人ポール・ルセサバギナの物語。とりあえず、観ましょう。

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