【古川 日出男 角川文庫】

うーむ、面白かった。北上次郎×大森望×豊崎由美が月刊プレイボーイでこの10年のベスト1に選んだのがよくわかる。合わない人にはとことん合わないだろうけど、わしは大満足、素晴らしい。

特にこの?巻は、物語が最高に盛り上がり久しぶりに読み終えるのがもったいない気持ちがした本であった。巷では長いという意見がみられるが、とんでもない、これだけの話をよくこれでおさめたなと思う。栗本薫だったらこの内容で20巻はかかるぞ(笑)。

いろんな部分が面白い話だが、わしにとっては地下迷宮の描写、創造が素晴らしい。特に地下迷宮に住まう狂人たち!これは、まさに『ドグラマグラ』いらいの読書体験。イマジネーションの奔流に呑み込まれました。

しかしなー、とても面白いんだけど、万人にお勧めできないのはやはり合わない人にはとことん合わないだろうなって思わすものがあるからだろうな。面白いけど勧めにくい、わしの中で舞城王太郎と同じポジションの作品が増えました。

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