【板倉 昭二 ちくま新書】

この前読んだ『「私」のための現代思想』では、「私」に対するアプローチは純粋に哲学的なものだったが、本書では生物学的なアプローチ(実験)により「私」=自己認識を探っていく。

著者によれば、人間は産まれて数ヶ月のうちから既に社会的な生き物らしいです。いろんな実験を工夫しながらやっているのを図解つきで説明してくれるので分りやすいが、そんなに高度なことをやっているようには見えないのが玉に瑕。世界の研究者も限られた人数らしく、ところどころにでてくるこの実験を行った研究者は昔一緒に研究しただれだれとか、だれだれの弟子とかそんなコメントが微笑ましくもあるし、狭い世界なんだなあと思いもする。

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