「私」のための現代思想
2006年5月25日 読書
【高田 明典 光文社新書】
いまの世の中で生きづらい人のための現代思想入門。最初にこれから自殺を考えてる人に向けてのメッセージが書いてあり面食らう。
内容としては、「私」とは何かを現代思想の系譜にしたがって解説されていくのであるが、特筆すべきはとりあえず分かりやすいということ。とても丁寧に説明してくれるので、話が複雑になってきてももうちょっとちゃんと読もうって気にさせてくれる。レヴィナスの「他者」についてなんか『レヴィナス入門』よりはるかに分かりやすい。
ひとつ、本文中何度か「今の社会が生き辛く錯乱してて腐臭を放っている」というような内容がなんの議論もなく決めつけられて述べられているのには違和感を覚えたが、今の社会に生き辛い人に向けた本らしいので、それはまあいいということにする。わしは、今の社会を「腐った社会」「狂気と錯乱の世界」と表現することに反論は何もないが、そういう形容詞を使うこと自体、筆者自身が今の社会にそういう気持ちを抱いているということが伺えるな。
大変面白く、なかなかに感動的な一冊でした。
いまの世の中で生きづらい人のための現代思想入門。最初にこれから自殺を考えてる人に向けてのメッセージが書いてあり面食らう。
内容としては、「私」とは何かを現代思想の系譜にしたがって解説されていくのであるが、特筆すべきはとりあえず分かりやすいということ。とても丁寧に説明してくれるので、話が複雑になってきてももうちょっとちゃんと読もうって気にさせてくれる。レヴィナスの「他者」についてなんか『レヴィナス入門』よりはるかに分かりやすい。
ひとつ、本文中何度か「今の社会が生き辛く錯乱してて腐臭を放っている」というような内容がなんの議論もなく決めつけられて述べられているのには違和感を覚えたが、今の社会に生き辛い人に向けた本らしいので、それはまあいいということにする。わしは、今の社会を「腐った社会」「狂気と錯乱の世界」と表現することに反論は何もないが、そういう形容詞を使うこと自体、筆者自身が今の社会にそういう気持ちを抱いているということが伺えるな。
大変面白く、なかなかに感動的な一冊でした。
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