面白い。しかし、読むほどにこの国の状況を思うに暗鬱たる気分にさせてくれる本である。

日本は国連では既に充分に力を持った国である。そして、国連の軍事化に向けて積極的に働きかけてきた国でもある。しかし、そのことは国内にはほとんどアナウンスされないばかりか、まるで逆のことが喧伝されている。官僚の内と外に対するごまかしによって、また政治家や新聞論説委員のレベルの低さによる誤謬によって。公的資料、公的発言をきちんと追うことによって見えてくるものは、論理的なものごとではなく目先の損得によって動いている日本という国の姿である。

外務省内の派閥の問題とか、もっと突っ込んでもらいたいところはあるのだけれど、世界から見た日本外交の姿を知るのには良い本なのではないでしょうか。

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