わしは、仕事のときも読みかけの新書をスーツの内ポケットに入れて身につけているんだが、休日でもそれは同じで私服のときは(まあ、スーツだって私服だけどさ)たいていジーンズの尻ポケットに突っ込んで過ごしている。
尻ポケットに突っ込んだままなのを忘れてて、そのまま車運転したりして本を傷めたりもするが、本は読まれてなんぼ、身につけていればちょっとした時間に読める、そういう使われ方もいいだろうと思う。
しかし、そんなわしが恐怖におののく瞬間がある。本屋の真ん中で、間抜けにも尻ポケットに新書を突っ込んだままな自分に気付いたときだ。ブックカバーもしていない(わしは買うときカバーを付けてもらわないのだ)新書は、まさに棚に並んでいるそれと見分けがつかない。うー、居心地悪いー、と思ってもどうしようもない、いまさら変に隠そうとしたらますます怪しいし。いや、べつにやましいことはないから、仮に万引きに間違えられたってすぐに嫌疑は晴れると思う。でも、やっぱり居心地悪いよな。
そんな時、わしの頭のなかでは「李下に冠をたださず」という文字と桃の木の下で冠を直しているおじさんの絵が入ったカルタのようなものがぐるぐると回りだしているのだ。
尻ポケットに突っ込んだままなのを忘れてて、そのまま車運転したりして本を傷めたりもするが、本は読まれてなんぼ、身につけていればちょっとした時間に読める、そういう使われ方もいいだろうと思う。
しかし、そんなわしが恐怖におののく瞬間がある。本屋の真ん中で、間抜けにも尻ポケットに新書を突っ込んだままな自分に気付いたときだ。ブックカバーもしていない(わしは買うときカバーを付けてもらわないのだ)新書は、まさに棚に並んでいるそれと見分けがつかない。うー、居心地悪いー、と思ってもどうしようもない、いまさら変に隠そうとしたらますます怪しいし。いや、べつにやましいことはないから、仮に万引きに間違えられたってすぐに嫌疑は晴れると思う。でも、やっぱり居心地悪いよな。
そんな時、わしの頭のなかでは「李下に冠をたださず」という文字と桃の木の下で冠を直しているおじさんの絵が入ったカルタのようなものがぐるぐると回りだしているのだ。
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