本書は、内田樹、小田嶋隆、平川克美、町山智浩による憲法第9条論。いつもの内田本のパターンに沿って即買い即読み。なんといってもこの四人の面子が素晴らしすぎる。内田ブログファンにはおなじみのこのメンバーが、それぞれ憲法について論じるわけであるから読み逃すわけにはいきません。

前から思っていたのだが、内田樹はまえがきの達人である。『街場のアメリカ論』でも抜群にまえがきが面白くて(内容も面白かったのだが)、わしはまえがきだけでイってしまって後の内容は惰性で読んでしまったぐらいだ。本書においてもこれからこの四人によってどのようなことが語られるのか、この四人はどのような人たちであるのか(「トラの尾アフォーダンス傾向」のある「脱臼性の言葉」の使い手なのです、わかりませんね、読みましょう)、否が応でもこれからの読書体験にむけ期待が盛り上がる話が展開される。もし、店頭で本書を見かけたらまえがきだけでも読んでみて欲しい(9Pだし)、きっと本文も読みたくなるから。

で肝心の内容であるが、それぞれにそれぞれらしい文章ですべて面白い。ある意味似ている人たちなので、向いている方向は同じなのだが、アプローチや立ち位置の違いを堪能できる。また、四人ともそれぞれが自分のブログをもっていて、そこに書いた過去の文章を全員が引っ張ってきているのが興味深かった。わし的にはやはり内田センセイのが頭一つ抜けた面白さでありました。

ふと気付いたら、いつも読んでる内田ブログに「『九条どうでしょう』プレミアム試写会」と銘打った一文がアップされておりました、3月22日付けなのでどうも読み飛ばしてたようです。さすが内田氏プロモーションもばっちりですな、これを読むとかなり購入意欲がわくと思われますのでもれなく皆様におすすめ致します。
http://blog.tatsuru.com/archives/001622.php

コメント