著者、渡部昌平氏は元、在韓国日本大使館の書記官で3年余りの韓国での勤務経験を持ち、韓国語も堪能なので大物から市井の人々まで幅広い交流をしてきたということである。あからさまに嫌韓的な題名であるが、筆者の意図は「韓国人を本当に理解せずに表面的につきあおうとしても、結局は良い交流にはならない」ということだそうで「嫌韓流」とは違う立場をとっているとのことだ。なら、題名を考え直したほうがいいんじゃないのと突っ込みたくなるところだが、まあそこはいろいろな大人の事情があるのでしょう。

で、読んでみたら意外と面白かった。韓国人社会の特徴を容赦なく切っているので韓国人には耳の痛い話が多いかもしれない。でも、偏向しているというよりは、かなり公平な目で見ている印象はある。韓国の人と付き合う必要のある人にはいいテキストなのではないだろうか、相手をできるだけ知っておくのはお互いのためにいいでしょうからね。

わしの感想だが、韓国は民主主義体制になってまだ20年、かつて日本が通ってきた道を大急ぎで駆け抜けてる感じであるな(もちろん日本と違う部分も多いが)。最先端の部分もありながら過去のものを引きずっている部分も多い、いろんな歪みを抱えながら変わっていっている、そう感じられる。おそらく現時点での韓国人は本書のイメージなのだろうが、このイメージを固定化させていると数年後には違ったイメージの韓国人像にギャップを感じるようになるんじゃないかな。

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