仁義なき薄型テレビ戦争
今、薄型テレビ業界の勢力図の変遷が面白い。わしは現場でみているが、こんなに面白い見世物は滅多にないと思う。
主役はSH社、SO社、PA社の3社。最近TO社も気合を入れた新製品を投入してきたがまだまだメインに絡むには時間がかかりそう。メインの三つ巴戦はどういう結末を迎えるんでしょうか。

05年の10−12期においてついに液晶テレビの世界シェア?.1に輝き日の出の勢いのSO社は、国内シェアも首位のSH社に着々と近付きつつある。商品的にはまだまだ問題があるが、捨て身の価格対策となによりそのブランド名でシェアを伸ばしている。マスコミがSO社復活と騒ぎ立てるので、宣伝効果もはばっちりだ(個人的には今SO社らしい商品というのはビデオカメラぐらいではないかと思うんだが)。韓国のSA社と合弁で作った工場製のパネルをSOパネルと言い張るあたりもさすがである、きみんとこの技術はいったいどこに入ってるんだと(笑)。商品もXシリーズはまあまあだが、S、Vの両シリーズは回路も手抜きだし、質感もいまいちだとおもうんだがなぜかよく売れる。春の新製品でどこまで変えてくるのか楽しみでもある。

SO社の猛追にあおくなりだしたSH社は新製品Bシリーズを投入するも市場の反応はまだ出てきていない。たしかにパネル性能は格段にいいが、絵作りは明るく派手めにふられ、いままでの自然色路線を少し変更し市場におもねっている、ここらへんにも後ろからの足音を聞くトップランナーの焦りがでているのではないか。いままでひたすらシングルチューナーを続けていたのに37インチ以上にはダブルチューナーを搭載しだしたのも同様。しかし、問題はA、Gの2ラインをBの1ラインにして大丈夫かというところだろう。いままで中高年齢層に絶大な支持をえていたGシリーズがなくなるのは痛いのではないだろうか、BシリーズはAの後継の位置づけのため、質感ではGに劣ってしまう。わしなんかはAQU○SといえばGと思うので、1ラインで年末の亀山第二工場の稼動までどれだけ耐え忍べるか、まさに正念場である。ただし、亀山第二工場が予定通り立ち上がれば、それ以降は怒涛の大攻勢が起こると思われるが。

最後に、プラズマでは圧倒的シェアを誇るPA社であるが、大型市場自体は液晶に押され気味。しかし、尼崎工場への投資で技術革新が進めばまだまだ再逆転はあるかも。32インチ以下は液晶のPA社はいままでのプラズマ一辺倒のCM戦略を改め、突如IPS液晶を前面に出したCMを入れだした。IPSがいいのかどうかはともかくとして、PA社がCMを入れだすと世の中がそうなるというよく分からない宣伝パワーをもつのでまったく侮れない。IPSでSO社、SH社と差別化を図ろうとするのはわかるが、都合の悪い応答速度とかコントラスト比とか基本的な性能表示(まあ性能表示にも問題はあるのだが)をしないってのはいただけない。LX500シリーズで使っていたクリアフォーカス駆動機能は、まやかしではあるが確かに効果があるのでわしは評価する。LX600シリーズでどう変わってくるのか、パネル自体の進化はあるのかも興味深い。しかし、プラズマも液晶もそうだけど、いまの原色派手派手路線は早急に改めたほうがいいと思うぞ。

と三社三様であるが、もっと面白いのは売り場における派遣社員の暗闘である。SH社が電源を切って写りこみの比較をしてる横で、SO社はSH社からの切り替えにやっきになり、プラズマの客はとりあえず買わせず帰らす作戦。PA社はPA社でSH社やSO社のパネルをばんばん叩き、画面が変わることを見せて客の不安感を煽る。まさに現場は仁義なき戦いの様相を呈している(いや、まともな売り子の方が多いんですがね)。

コメント

権之助
gonzaga
2006年3月9日1:00

こんばんは、はじめまして。

興味深く読ませていただきました。

そろそろ29インチのブラウン管TVが寿命のようなので、買い換えを考えなければならないんですが、大変微妙な時期のようで・・・・いっそのこと、最近は激安のブラウン管をまた買ってしまおうかと思うくらいです。

山猫
漆黒
2006年3月11日0:04

>gonzaga様

コメントありがとうございます。
激安ブラウン管で、薄型の低価格高画質化を待つという選択肢はかなりありですよ。

でも、2011年まで引っ張って家中のテレビ総取替えってのもかなり大変なので、計画的に考えたほうがいいですよ。