著者は、御年80歳を迎える北海道の寒村の開業医であり、40年以上地域医療に貢献してこられた方である。わしは老人の言うことはおおむね尊重する人間であり、ましてやこのような地道な活動をされてきた翁の書かれた文章には頭をたれて肯くのみである。たとえ、内容の多くが自分史だったりしても、文章のあちこちから教養の滲み出ているよい文章だなとしか感じられないのでちゃんと感想も書けないかもしれない。

といいつつ書くが、本書において老いを生きること、死をいかに迎えるかということに関して示唆されるところは大きい。人となりや生活状況までをしっているかかりつけの家庭医がいて、仮に病気で入院したとしても、病院と家庭医が連携をとってくれ、また病室に家庭医自身が診察に来ていろいろな話を聞いてくれる。こういった病院の開放型共同利用の取り組みを著者はおこない、成果を挙げてきている。本当の患者本位の医療とはなにか、継続性、一貫性のある医療についていろいろと考えさせられました。

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