中国が「反日」を捨てる日
2006年2月2日 読書
信頼の置ける中国ウォッチャー清水美和(男)
前に読んだ『中国はなぜ「反日」になったか』が、非常に分かりやすく目から鱗がぽろぽろ落ちる内容であったので、その続編となる本書(出版社は違うが)も当然即読み。
前著が国交回復からの日中の動きを詳細に追っていたのに対し、本書はさらに直近の胡錦濤政権と小泉政権について細かくレポートしている。本書の好感の持てる点は、まず根拠の薄弱な先入観や好悪の感情を廃し、公式報道、非公式報道ともに出所をはっきりさせ、その上でどう考えられるかを書いていることである。
中国政府はわれわれが思っているような、ひとつの顔を持つ一枚岩の政権などではない。もともと親日的な胡錦濤政権が、いろいろなサインを日本側に送っているにもかかわらず、小泉首相の靖国参拝およびそれをめぐる発言によっていかに国内での政権基盤を危うくしているか、日本は日中が友好的な関係を築く最高のチャンスがあったのにそれをフイにしてしまった。そういったなか育まれてしまった中国大衆的民族主義の大きなうねりの中で、強権的な共産党本部といえどもうかつに親日的な発言が出来ない雰囲気ができあがってきてしまっている。13億の国民をコントロールすることがいかに難しいことであるか、その胡錦濤政権の悲痛な叫びに対し日本はもっと答えてやるべきではないのか。それこそまさに日本の将来的な国益に貢献すると思うのだが。
ともあれ、本書は日中問題を考える上で非常に参考になると思われるので、皆様漏れなく読まれたし。
前に読んだ『中国はなぜ「反日」になったか』が、非常に分かりやすく目から鱗がぽろぽろ落ちる内容であったので、その続編となる本書(出版社は違うが)も当然即読み。
前著が国交回復からの日中の動きを詳細に追っていたのに対し、本書はさらに直近の胡錦濤政権と小泉政権について細かくレポートしている。本書の好感の持てる点は、まず根拠の薄弱な先入観や好悪の感情を廃し、公式報道、非公式報道ともに出所をはっきりさせ、その上でどう考えられるかを書いていることである。
中国政府はわれわれが思っているような、ひとつの顔を持つ一枚岩の政権などではない。もともと親日的な胡錦濤政権が、いろいろなサインを日本側に送っているにもかかわらず、小泉首相の靖国参拝およびそれをめぐる発言によっていかに国内での政権基盤を危うくしているか、日本は日中が友好的な関係を築く最高のチャンスがあったのにそれをフイにしてしまった。そういったなか育まれてしまった中国大衆的民族主義の大きなうねりの中で、強権的な共産党本部といえどもうかつに親日的な発言が出来ない雰囲気ができあがってきてしまっている。13億の国民をコントロールすることがいかに難しいことであるか、その胡錦濤政権の悲痛な叫びに対し日本はもっと答えてやるべきではないのか。それこそまさに日本の将来的な国益に貢献すると思うのだが。
ともあれ、本書は日中問題を考える上で非常に参考になると思われるので、皆様漏れなく読まれたし。
コメント