シン・シティ

2005年10月11日 映画
うーん、たいへんもったいない映画であった。

まず、キャラクターと配役はほぼパーフェクトに近い、俳優陣は男も女もキャラが立ってていうことなし。映像も悪くない、モノトーン基調に原色をひとつ加えた画面は(昔からある手法とはいえ)効果的だと思うし、デフォルメされたアクションだって結構イケてる。印象的なシークエンスも多々ある。

しかし、しかしだ、この破綻しきったストーリーはどうしようもなさすぎるだろ、何考えて脚本書いたんだ?>ミラー&ロドリゲス。特にドワイト(クライヴ・オーウェン)のストーリーなんか無茶苦茶だ。彼は何のために何に命張ってるんだ?さっぱり解らんぞ。あちこち矛盾だらけだし、いいキャラがいっぱいでてるのにもったいない。ミホ(デヴォン青木)はまあ大目にみるとする、あの手裏剣はかなりいただけないが・・・。

3つのストーリーのなかでは、マーヴ(ミッキー・ローク)の話のみ観るに値する。自分の命を守るためとはいえ、プロの女も敬遠する醜い自分と一夜を供にしてくれた女(ゴールディ)のために復讐を敢行する、これは解る。敵役のケビン(イライジャ・ウッド)のキャラもいいしね。【イライジャ・ウッド君は「ロード・オブ・ザ・リング」で脚光を浴びてしまったが、「エターナルサンシャイン」の変態助手役とか今回のサイコキラー役とか変態役が本当によく似合うと思う。】

3つのストーリーの絡み合いもさ、中途半端すぎて「パルプ・フィクション」の下手な二番煎じみたいになってるし、もうすこしストーリーの練りようってもんがあっただろうに。

いや、ほんとにほんとにもったいない映画であった。

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