夜回り先生 1 (1)
2005年10月1日 読書
原作の『夜回り先生』は、ずいぶん前に本屋で立ち読みしていた。読んでみて、正直、自分のなかでどう解釈していいのかとても戸惑った。彼の行動は、感動的ではあるが完全に常軌を逸している。
しかし、プロ教師の会の諏訪哲二が著書の中で彼について言及している文章を読んで得心がいった。
【誤解を恐れずに言えば、これはすごい教師の物語ではない。ありうべき教師の煮詰められた姿が水谷氏にあるのではない。水谷氏は職業から「夜回り先生」と呼ばれているが、氏の真の姿は街に現われた聖者なのであり、「神」なき「神」の代理人である。】
そう、完全に私を捨て去ってしまったように見えるその虚無を身にまとった彼には「聖者」という呼び方こそがふさわしいのではないか。(蛇足であるが、これは水谷氏を神のような人として崇めているのではないので、念のため申し添えておく。)
そんな原作の漫画化である。わしは書籍として既に原作のある漫画っての読まないし(『バカボンド』除く)ましてや買ったりはしないんだが、これは画が土田世紀なので買った。この原作を描くのに彼ほどの適任者はいないだろう。実際に読んでみて、素晴らしいの一言。もはや、「実話を基にしたフィクション」ではあるだろうが、水谷氏の虚無の貌を描ききった筆力には脱帽する。
特に、水谷氏がまさに修羅の聖職者としての道に入っていくさまを描いた、第0夜「ブランコ」は傑作。
最後に、この話だけは絶対にテレビドラマ化しないで欲しい、お願い。
しかし、プロ教師の会の諏訪哲二が著書の中で彼について言及している文章を読んで得心がいった。
【誤解を恐れずに言えば、これはすごい教師の物語ではない。ありうべき教師の煮詰められた姿が水谷氏にあるのではない。水谷氏は職業から「夜回り先生」と呼ばれているが、氏の真の姿は街に現われた聖者なのであり、「神」なき「神」の代理人である。】
そう、完全に私を捨て去ってしまったように見えるその虚無を身にまとった彼には「聖者」という呼び方こそがふさわしいのではないか。(蛇足であるが、これは水谷氏を神のような人として崇めているのではないので、念のため申し添えておく。)
そんな原作の漫画化である。わしは書籍として既に原作のある漫画っての読まないし(『バカボンド』除く)ましてや買ったりはしないんだが、これは画が土田世紀なので買った。この原作を描くのに彼ほどの適任者はいないだろう。実際に読んでみて、素晴らしいの一言。もはや、「実話を基にしたフィクション」ではあるだろうが、水谷氏の虚無の貌を描ききった筆力には脱帽する。
特に、水谷氏がまさに修羅の聖職者としての道に入っていくさまを描いた、第0夜「ブランコ」は傑作。
最後に、この話だけは絶対にテレビドラマ化しないで欲しい、お願い。
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