奥山貴宏、2004年4月から2005年正月までの日記。彼のことが少しずつ分かってくる。小説『ヴァニシングポイント』を書き上げた時の達成感、思い入れ、自負、ホントに命を燃やしているという感じだな。

『31歳ガン漂流』から一年、症状はどんどん進行していき、彼の苦しさも息を呑むような感じになってくる。しかし、彼自身はどんどん成長していっている、そんな感じを受ける文章だな。自分の人生の残りを文章を書くことによって表現していく、その覚悟には感銘を受けずにはいられない。完敗です。

本の体裁も、一巻目のように二段組み(下段はワード解説)から普通の一段組みになり、ずっと読みやすくなった。最後の『33歳ガン漂流』を読むのがもったいないな、読まずにとっておきたいような複雑な気分だ。

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