新書ではありがちなことであるが、この本の題名はこの本の内容を示してはいない。この本は、どちらかというと「ダメな教師」をなくす(減らす)ためにはどうしたらよいかを考えた教育論ですね。営業的な視点からの出版社側の意向だろうけれどわしはあんまりこういうやり方は好きではないな(まあ、ましなほうだけど)。

著者は「教育とは人なり」と説く。いわゆる教育改革ものの本ではシステムとか教育内容の改革ばかりが論じられるが、ずばり教師の質を正面きって取り上げる本は珍しい。教師の質を上げなければ教育の改善は望めない、なるほどごもっともだ。そして、今の学校がいかに教師を腐らせていくシステムになっているかを説明していく。競争や評価のないところでは、ひとは切磋琢磨して技術を向上させていくことが困難になる。そんな学校の現状を打開するために著者が提案するのは、生徒や保護者による教師の評価制度の確立である。

アマゾンのレビューとかをみるとかなり酷評されている本書であるが、わしには結構面白かった。いってることは説得力があると思うんだがな。ちょうど逆の立場で書かれた『オレ様化する子供たち』とあわせて読んでみるとなかなか面白い。子供が変わってしまったのか、あるいは先生が悪いのか。教育は与えるものでサービスの売り買いではないのか、果てまた同じ市場原理を働かせることが必要なのか、なかなか考えることはつきない。

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