続々と刊行される内田樹対談本。先生、楽して儲けすぎですよ。

今回の対談相手は治療家(でいいのかな)池上六朗氏。身体論を中心に二人で言いたい放題。会話は、お互いに同意を繰り返し、どんどん盛り上がり、最後のほうではどちらの発言か分からないほどのシンクロぶり。わしは、普段より内田節に洗脳されているので正常な判断が働いているのかどうか分からないんだが、いつも通り面白かったです、はい。

わしが特に面白かったエピソードがひとつ。
内田氏は27,8歳のころかなり厳格な玄米食をやり、玄米と有機野菜だけで半年ぐらい過ごしたそうだ。そうするとすっかり脂っ気が抜けて健康になったのはいいが、周りの人が汚く見えてきた。みんなゴミのようなものを食っているように感じて、いちいち人に忠告してしまう。そうすると友人はどんどん離れていってしまうし、健康にはなったがどんどん日々不愉快になっていく。
そこで、これは「健康」の概念が間違っていたときっぱり玄米食をやめ、それ以降はジャンクフードもばりばり食べるようになったということだ。

なるほど。その社会で流通している「常識」の範囲内で生きることの大切さというか重要性を改めて感じた。孤高を生きるのはかっこいいし憧れるが、普通に生きることこそわしの目指すものであるな。でも、普通に日々ルーチンを守るものの前にこそ転機が訪れるってのも内田氏のいっていることなんだよな。

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