ETV特集見逃してたが、運のいいことにビデオが手に入った。松浦亜弥のナレーションは微妙だが、内容はとても良かった。

奥山貴宏は、ガン闘病のブログで脚光を浴びて、結局4冊の本を世に出し作家として亡くなった。ガン闘病っていうと壮絶な感じがするが、彼の場合はあくまでも自分の日常に闘病というものが加わっただけのような、大げさに騒ぎ立てない、そうするのはなんだかかっこ悪いからもう少しクールにいこうやって感じのガン闘病である。この癌患者という個性を利用して、憧れの作家として一旗あげて死んでいこうという彼の目論見は見事に成功したわけであるが、『ヴァニシングポイント』とか読んでるとやっぱり命削って書いたんだろうなと思ってしまうな。ご冥福を祈る。

彼は両親の勧めるホスピス生活を拒否して、あくまで日常のなかで闘病していった。わしが両親でも同じように勧めると思うが、彼の(自分にとって)よりかっこいい方を選択する生き方はたしかに「ロック」だ、最後までそれを貫き通した彼を責める言葉をわしは持たない。この「ロックじゃない」とかいうような物言いをわしは大嫌いなのであるが、彼が使う分だけは特別に「かっこいい」カテゴリーに入れておく。

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