手取り2万円では暮らせない…52歳社員が仮処分申請 [ZAKZAK]
2005年7月16日 時事ニュース営業成績によって増減する給与制度で、6月の手取り額が約2万2000円となった富士火災海上保険(東京)の男性社員(52)が15日、生存権を定めた憲法に違反するなどとして、3―5月の平均給与約21万9000円などの支払いを求める仮処分を東京地裁に申し立てた。
申立書によると、男性は勤続23年の営業担当。営業成績が悪いと、給与が一定の割合で差し引かれる同社の制度で、6月の給与は額面11万5000円となった。所得税や社会保険料などが控除され、約2万2000円しか支給されなかった。
富士火災海上保険は2000年から、成果主義の「増加精算金制度」を導入。昨年には住宅手当なども廃止したという。
男性は「給料の振込額を見た妻から『間違いではないか』と言われ、ショックだった。この賃金では家族を養えない」と話している。
少なくともいえることは、この会社とは保険契約したくないなってことだな。成果主義で汲々としてる社員が、本当に顧客に合った保険を提案してくれるなんて誰が思う?
より多く会社に貢献したものがより多く給料を得られるシステムってのは一見公平に見えるが、なんのことはない会社に都合のいいだけのシステムだ。儲けはしっかり確保できるし、実績の悪い人間は安価に働くか勝手に辞めていくかするだろう。リストラシステムとしても優秀だよな。
しかし、わしはこういったシステムって、長い目で見れば会社にとっても社員にとってもいいことないと思うんだがな。働く社員ってのは一定以上の評価を受けた時点でモチベーションはそれ以上上がらないし、むしろ少しの評価でも働く社員ってのはやっぱり働いてしまうものだと思う。そして、うまく大口を掴んだ運のいい社員がおいしい思いをしてしまう、なんだか今まで以上に不公平感を感じてしまうような気がする。
従業員の生活の安定を確保するってのは、企業の重要な社会的役割だと思うのだが最近はすっかり言われなくなりましたな。カルロス・ゴーンとかが評価される世の中だもんね。
コメント