靖国問題

2005年4月23日 読書
わしは、靖国神社には無知なので、靖国問題について少しは知っておいたほうがいいかなと思ってこの本を買った。いや、読んでよかったホントに面白い、文章も読みやすくてわかりやすいし、おすすめ。

著者は、靖国問題を●感情の問題●歴史認識の問題●宗教の問題●文化の問題、そして●国立追悼施設の問題と5章に分けて論じていく。そこで明らかにされていくのは、靖国神社は天皇を神とする国家の為に戦った君民だけを奉っていること。そして、それはその君民を悼んでいる(追悼)ではなく賞賛し、美化し、功績とし、後に続く者の模範としている(顕彰)のであるということ。つまり、国家の為に死ぬものを再生産するための装置であるということ。さらに、靖国神社の精神性が植民地主義から一歩も脱却されていないことである。

本書の最後のほうではちょっと同意しかねるところ(非武装を目指してるととれるところなど)もあるのだが、おおむね賛同できる。よくよく考えると、靖国問題は中国や韓国が文句言うからという問題ではなく、われわれ自身が見過ごしていていいのかという問題なのではないかと思った。

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