在日 ふたつの「祖国」への思い
2005年3月30日 読書
わしは、いまだに姜尚中をカン・サンジュンと読めないのであるが、姜尚中のファンである(笑)。本書は、在日朝鮮人であるところの著者が、日本と韓国への思いを戦後の二国間の歴史を振り返って著した本である。
我々日本人は、韓国に対して太平洋戦争の責任のみを考えるが、彼らはその後朝鮮戦争の地獄を体験し(そのとき日本は政治的には内にこもり、経済的には戦争特需で復興した)、アメリカの戦後戦略で共産圏への橋頭堡として使われ、日本が関係改善して援助したのは民衆に抑圧的な軍事政権まがいの政府であった。なるほど、恨みも積もるであろうな。
本書で、著者の言う東北アジア地域主義の構想に、わしも賛同する。実現は遠そうではあるが、意外と否が応でもいっしょにやっていかないといけない事態になるかもしれないしな(北の崩壊に伴ってとか)。いや、ホントに、われわれの世代で少しは何とかしておきたいもんだとそう思った。
新書はわりとタイムリーな物事を書けるメディアであると思うが、本書が書かれた直後、日韓の竹島をめぐる争いが表面化していきなり関係が悪化し、日韓情勢はずいぶん変わってしまった。本書では主に北の問題を中心に心配していたのに、このめまぐるしく変わる極東アジア情勢はなんなんだろうな、著者も気の休まる間が無いであろう。おそらく、われわれ(日本以外も含めて)に欠けているのは、共感と寛容の精神であるな(腹黒いわしがいうことではないが)。
我々日本人は、韓国に対して太平洋戦争の責任のみを考えるが、彼らはその後朝鮮戦争の地獄を体験し(そのとき日本は政治的には内にこもり、経済的には戦争特需で復興した)、アメリカの戦後戦略で共産圏への橋頭堡として使われ、日本が関係改善して援助したのは民衆に抑圧的な軍事政権まがいの政府であった。なるほど、恨みも積もるであろうな。
本書で、著者の言う東北アジア地域主義の構想に、わしも賛同する。実現は遠そうではあるが、意外と否が応でもいっしょにやっていかないといけない事態になるかもしれないしな(北の崩壊に伴ってとか)。いや、ホントに、われわれの世代で少しは何とかしておきたいもんだとそう思った。
新書はわりとタイムリーな物事を書けるメディアであると思うが、本書が書かれた直後、日韓の竹島をめぐる争いが表面化していきなり関係が悪化し、日韓情勢はずいぶん変わってしまった。本書では主に北の問題を中心に心配していたのに、このめまぐるしく変わる極東アジア情勢はなんなんだろうな、著者も気の休まる間が無いであろう。おそらく、われわれ(日本以外も含めて)に欠けているのは、共感と寛容の精神であるな(腹黒いわしがいうことではないが)。
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