ほめるな

2005年3月27日 読書
教育関係本であるが、ぱらぱらと見て、買うまでもないなと思い本屋で立ち読みで読了。

著者は言う、近頃流行の子供をやたらほめる教育は子供の本当のやる気を損なうのでよくない、学校で子供をやたらほめながら進める授業、これはまるで動物の調教をしているみたいだと。著者はやたらほめることの悪いところをあげつらっていく、しかし内容を読めばわかるが、これは逆に叱りすぎることを持ってきて読んでもまったく同じ批判である。叱る授業も動物の調教のようにみえるし。まあ、著者は「ほめるな=もっと叱れ」と言ってるわけではないんだが、叱ることの弊害も書いとかないと絶対に勘違いする人がでてくるよな。

で、著者の主張はというと、要は「教育には無償の愛を持ってせよ」ってことだ(他にもあるが)。いあ、それはそうだと思う、ただ、そうできない人が多いからどうすればいいんだろうってのが一番の問題だろ。それでも親は子供を育てないといけないし、教師は教えないといけないんだから。

「無償の愛」って言葉は理想的かつ曖昧に響きすぎてこういった書物では似つかわしくないと思う。むしろ『オレ様化する子どもたち』にもあったように、子育てとか教育は親や社会からの子供たちへの「贈与」である、としたほうが分かりやすいのではないかと思う。つまり、見返りを求めるものではないので(成績で一番になったら何か買ってあげるといった)取引に使うものではないというふうに。

まあ、ほめてばかりはよくないってことには同意するが、いまいちすっきり納得するまでには至らない本でした。

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