理由 THE MOVIE

2005年3月2日 映画
いやあ、なんだかすごい映画だった。宮部みゆきのベストセラー小説(わしは未読)の映画化で、登場人物は107人!しかもなじみのある名の通った俳優ばかりでほとんどがノーメイクで熱演。上演時間もたっぷり2時間40分。

映画の最初から最後まで登場人物が画面に向かって話す話す、しかも芝居口調で。なんだこれは橋田壽賀子映画なのか、取材に答えてるっていう設定なんだが、それでも違和感があるように撮られている。この映画の世界に入りこむまでは多くの観客が戸惑うのは間違いないな。しかし、話が進むにつれ、これは原作を忠実になぞっていくためなんだなというのが分かってくる。ドラマの部分も増えてきて後半は違和感なく楽しめる。長編小説の内容をできるだけ損なわずに撮り上げるための大林監督の苦肉の策であったか。

ストーリーにすごいどんでん返しとかギミックとかはない、ただいくつもの物語がより合わせられエンディングに向け巨大なうねりとなって流れていく。そして感動のエンディング!と思ったら、そのあとが長い・・・。わしはトイレを我慢してたので心底早く終わってくれと祈っていたよ、だって明らかに終わってるんだもん。そこまで原作に忠実にしなくたって、信子が交番に向かうところで終わっていいじゃないか。おかげで、いつもはエンドロールまで観るのに、変な歌がかかってる最中に退席しちゃったよ。

でも、この映画って評価が難しいね。映画を観て本を読んだ気持ちになれる映画だった、つまり原作の面白さが読まずに分かったっていう感じだな。あと、日本の名だたる俳優陣がノーメイクで熱演してるのは見といて損はない。

コメント