いつものようにスペリオール立ち読み。ここ数週間の『医龍』がやたら面白い。手術室での霧島教授の心の動きがなかなかにドラマチックで、盛り上がってます。想像しなかった展開で次が待ち遠しいですヨ。
【久世 番子 新書館】

暴本の3巻(最終巻!)が出てるってのは分ってたんだけど、どの本屋にいってもシュリンクされてて立ち読みできなかった(ある意味当たりまえ)。だが、きっとあそこなら、あの店ならこの書店員愛のこもった本をシュリンクせずに読ませてくれるはず・・・。あった、ありましたよ一冊ちゃんとシュリンクせずに置いてあった。そう、本屋たるものこの本は、立ち読みでもいいから一人でも多くの人に読ませないといけません。さすがよくわかってらっしゃる、そしてありがとう>紀伊國屋仙台店。

というわけで、3巻目も面白うございました。これで終わってしまうのは、ほんとにもったいない。あ、カバー裏チェックするの忘れた!

立ち読みだけで帰るのは申し訳ないので
●スピリチュアルにハマる人、ハマらない人 香山リカ 幻冬舎新書
●アラビアの夜の種族?,?,? 古川日出男 角川文庫
買っておきました。
ネット友人に借りて一気読み。ああ、なんでわしはこの『ザ・ワールド・イズ・マイン』を今の今まで知らなかったんだろう?もったいねえ、90年代に知ってなければならない作品だった。

面白い。まさに、現代の黙示録と呼ぶに相応しい内容、わし的に永井豪の『デビルマン』以来の衝撃作でありました。この前読んだ『独白するユニバーサル横メルカトル』も残虐さでは負けてなかったが、その重みというか質がまったく違う。

リアルな暴力、虐殺シーンがひたすら続き、大人、子供、男女関係なくひたすら無残に殺されていく様は、死と生について否が応でも問いかけられてくるようだ。主人公の片割れであるモンはある意味超越者として描かれているため、読者には感情移入しにくい存在になっている、だって、何でこんなことしてるのかさっぱりわからないんだもんな。その点、もうひとりの主人公トシのほうは、残虐な殺人鬼になりながらもあまりに人間でよく分る。この二人の逃避行のストーリーに超自然的な物体「ヒグマドン」の怪獣物語が錯綜して話が進んでいく。そこここから作者の志の高さが伝わってきて良いです。そして、それを支える綿密な取材と画力!いやホント凄いです。

しかし、わし的には大絶賛の本書だが、主人公二人を取り巻くサブキャラたちが特徴(くせ)を持たされすぎている点は気になる。キャラ立ちしてて濃いのはいいんだけどさ、これはちょっと過剰すぎるんじゃないかい。この濃さこそが新井英樹がデビューのときから持っている特性なんだろうけれど、あんまりいい方向にいってない気がする。サブキャラたちが繰り広げるサブストーリ自体はこのマンガに厚みと深みを持たせていて素晴らしいんだけど、ちょっと仕草が鬱陶しすぎるんだよな。

ともあれ、この超問題作は機会があるなら絶対に読んでおいたほうがいい。気持ち悪くなったり陰鬱な気分になるかもしれないけど(笑)。
安野 モヨコ相変らず上手いな。

いつもどおり、熱い人たちがてんこ盛り。わしは冷めた勤め人なので別の世界のお話みたいになってしまうんだよな(笑)。
でも、面白いです。
でてたの気付かなかった。

かなり惰性で読んでる。いや、一定水準は保ってると思うですよ。
【西原理恵子 新潮社】

立ち読み。新潮45連載時に毎月欠かさず読んでいたので、単行本になったのは知っていたんだが、そんなに焦ることもないかといままで放置してました。うーん、買っておいてもいいかも。

サイバラお得意の貧乏な漁師町でのもうほんとにどうしようもない人たちのお話だが、今回は大人の女達(おばさん、ばあさん)の恋愛話なのでいままで以上に濃い!!なぜか、わしはサイバラのこういった話にすごいリアリティを感じて読んでしまうんだが、よく考えるとそれ(この話にリアリティを感じること)はわしがおかしいのかも知れない。

いやほんと、どん底に生きる人たちとその性(さが)を描かせたらサイバラはんはすごいですな。
コンビニで発見、さくさくと立ち読み。

あいかわらずの出来のよさで安心して読めますな。不協和音だらけのオケが少しずつまとまっていく、こういうストーリの描き方はすっかり上手くなってしまって、同じパターンの繰り返しなんだけど、それでも何回読んでも飽きないのがたいしたもの。

このまえ、久しぶりにネット友人(女)とメッセで話したら、彼女も最近のだめにはまってるらしく、「生まれてはじめてマンガの登場人物に恋をした」そうです。三十路おんなも狂わす千秋恐るべし。
本日は長女の17歳の誕生日。さすがにお誕生会って歳でもないんだが、たまたまいつものネットカップルが遊びに来たりして、盛大に祝われておりました。

寿司食って、ケーキ食って、食いすぎた胸のムカつきを押さえつつ、プレゼントのエレクトリックダーツに興じる。みんなが盛り上がってる隙をついて、のだめの新刊を読む。うむ、こっちも盛り上がってきてるな。面白い、堪能。

わしからは、ダーツのほかによりみちパン!セの『オヤジ国憲法でいこう!』しりあがり寿、祖父江慎、著をプレゼントする。読んでもらえるかどうかはわからんけど(笑)。まあ、読んだら読んだで、「嫌いな親は死んだものと思って無視しろ」ってな内容の本だけに自らの首を絞めてるとも思われるんだが、彼女の人生には多少の役に立つのではないかと・・・。
【しりあがり 寿 メディアファクトリー 】

毎月楽しみにしている『ダ・ヴィンチ』連載のマンガがやっとコミック化された。月に2ページだから、一冊のコミックになるのに約5年分、うーん長かった。

しかし、よくネタが尽きないな。つらつら読みながらメメントモリる。
漫画の夜回り先生も3巻目、情念に満ちた土田世紀の画が楽しめる。あいかわらず巧い。原作(というか実際にあった話)をアレンジしているのでもはやノンフィクションとはいえないであろうが、リアルに訴えかけてくるものがある。引ったくりにあってもカバンを放さず引きずり倒される老婆の表情なんか怖すぎです。

しかし、どうなんだろうな。たしかに感動できる話ばかりなんだが、これからは同じパターンの繰り返しにしかならないんじゃないかな。わしが本当に読みたいのは、水谷が関わってきた悲しい子供たちの事例ではなくて(それもいいんだけど)、水谷自身の心の中の葛藤であり慟哭である。彼がなにを想い感じてあの行動に走っているのか、その部分こそを土田世紀には(個人的に感じたものでいいから)表現して欲しいと思う。
誰寝ももう5巻か、あいかわらずゆるくてよいです。

わしは活字を読むのもそこそこ早いが、マンガ読むのは恐ろしく早い。でも、これは早く読むと面白くないんだよな。もともと活字が多いから他の漫画に比べれば時間はかかるんだけど、それをおいてもこの話独特のリズムを無視して早く読むと面白さ半減ですよ。じっくりサライネスワールドに浸らないとイケマセン。

猫の利休之助がかわいい。
うーん、なぜこの店はこの本だけはマンガなのに立ち読み可なんだろう。シリーズものであえて一巻目だけ立ち読み可にしてる店はあるんだけど、二巻しか出てないのに両方フリー、しかも他のマンガはシュリンクされてるんだぜ。これは、立ち読みでもいいから読んでくれという本屋さんからの熱いエールに違いないですよね。

というわけで二巻目も立ち読み(スイマセン)、くすくす笑いながら読んでました。さらにディープな出版業界の裏話は、ためになる上に何より面白い。

みなさん、できれば買って読みましょう。
立ち読み、なぜかマンガコーナーじゃない場所に置かれててビニール(シュリンクっていうそうだ)もしてないから立ち読みしてくださいってことなんだろうなと勝手に判断。ところどころ声を上げて笑いながら立ち読みしてました、面白いです。

本屋の裏側を面白おかしく描いていて、本(屋)好きな人には間違いなく楽しめる。本屋の店員ってやはり本好きな人が多そうでちょいと安心。
前巻のまったりから、話は一気に盛り上がりだしましたな。画も素晴らしい。というか、この漫画の魅力の8割がたは画の部分だと思う、三浦建太郎巧いです。
やっぱり豪華版で揃えようかな。通常版でるのが待ちきれなくて、友人に読ませてもらった。大きいっていいね、付録もついてくるし。

内容はやばいことになってますね、話がどんどん広がってきてやたら面白いんだけど、この調子だと終わりまであと何年待たないといけないんでしょうか?だらだらと続いている『20世紀少年』なんか適当に人類皆殺しで終わらせてこっちに専念してくれればいいのに。

付録の高校時代に描いた羅生門はもろ手塚治虫で笑えました。
おそらく、週刊モーニングを読んでる読者の8割は読み飛ばしてると思われる「誰寝」であるが、好きな人はとことん好きと両極端。新刊が出て本屋でゲットするのが恐ろしく難しい本でもある(だって、一店に一、二冊しか入荷しないんだもん)。

と、3巻と同じ文にしてみました。皆さん、お暇でしたらちょいと読んでみましょう。けっこういけまっせ。
いつも借りてるネット友人とスケジュールが会わないので、立ち読み。

ま、今回はこれからの布石ってことで、次巻あたりから盛り上がりそうですな。楽しゅう読みましたデスヨ。
この前、この本を立ち読みして以来、コンビニで見かけるたびに下巻の後半部分だけ読み返してしまう。そして毎回泣きそうになる。うーむ、いいかげん買ったほうがいいかもな。
読む前から圧倒的に面白いとわかっている本も珍しい。じつは今までもったいなくて読めなかった。それが先日、本屋で第一巻が立ち読み可になってたためうっかり読んでしまった、期待にたがわぬ面白さ、やむを得ない、2巻とも(めずらしく)買いました。

浦沢直樹はほんとに手堅い描き手だ。物語の膨らませどころ、ドラマの作り方を心得ている。読み手の涙腺の刺激の仕方とかほんとに巧すぎる。それでいて、きちんと手塚治虫のアトムの闇の部分まで押さえている。うーん、穴が無さすぎですな。

まず、このままいけばこの作品は、手塚作品のリメイクとしての地位を離れ、SFとして、物語として傑作との名を残すであろう。お願い早く続き描いて。
本屋で、「西原理恵子の『営業ものがたり』の入荷予定はいつですかぁ?」って訊いたら、「あ、確か入荷しております。」といわれて、連れて行かれたのがサブカルコーナー、確かにありました。サイバラって本屋によって置かれている場所が違いすぎるぞ。

で、本書であるが、連載中からまさかこれを本にするとは思わなかった。普通に販促の企画じゃなかったのか・・・。まあ、量的に全然足りないので「ぼくんち番外編」なんか入ってて個人的には嬉しいのだが。

他にも、収録の「うつくしいのはら」はたしかにサイバラの最高傑作だと思うが、わしは「朝日のあたる家」が好き。

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