【W杯】イングランドvsトリニダード・トバゴ
うーむ、真夜中にイングランド戦を観ているあたり、わしってワールドカップにハマってる人みたいだ。

○イングランド 2−0 ●トリニダード・トバゴ

トリニダード・トバゴは非常によくやってた、後半ラスト10分まではイングランドの大攻勢を凌ぎきってたんだから。集中力も切れなかったし、運動量も豊富だった。でも、やはり最後はベッカムのピンポイントクロスにしてやられましたな。仕方ありません。

しかし、トリニダード・トバゴの主将ヨークは、あのマンチェスターユナイテッド黄金時代をベッカムと共に支えてきたFWのヨークじゃないか、懐かしいなあ。98-99シーズンのチャンピオンズリーグは、わしがまともにサッカーを観ていた最後のシーズンである。あのときの、ヨークともう一人のFWコールへのベッカムのピンポイントクロスは、まさに敵のディフェンスラインを切り裂くという表現がぴったりの恐るべきものだった。まるでショートパスであるかのように、ロングのクロスボールが走りこんでくるFWの足下に何度も正確に送られていくさまは、まさに驚愕以外のなにものでもなかった。

うー、あのときのマンUを語りだすととまらないぞ。ベッカムがいてギグスがいて、キーン、スコールズ、シェリンガム、そしてわしが愛してやまないシュマイケルがゴールを守っていた。メンバーも凄かったが、なによりもハートの強いチームだった。今でも語り継がれる、チャンピオンズリーグ決勝バイエルンミュンヘン戦の後半ロスタイムからの大逆転劇も朝方WOWOWで観ていたんだけれども、その興奮を誰にも伝えられなくて悶々としたのを覚えている。

と、なぜか昔を思い出して熱くなるわたくしでした。
【W杯】イングランドvsパラグアイ
正直言って、この歳になると昔のようにワールドカップだからといってわくわくもしなくなる。特に、前回の大会があんまり面白く感じられなかったのと、もともと日本代表にはさほど興味もないのとで、わしのサッカー熱はいよいよ冷め切っているのであるが、せめて(好きだった)イングランドの試合ぐらいは追っておこうと思う。

はい、1−0でそつなく勝ち点をあげましたね。

おそらく、わしが知る過去のイングランド代表の中では最強だと思う。でも、わしが求めているのは、試合終了間際2,3点のビハインドでも試合を投げず走り回っている彼らの姿なので、そんなに勝たなくてもイイんですがね。
キリン 実感五穀茶のCMに萌える
久しぶりにショートカットフェチのわしのど真ん中にきた。

調べたら出演は桐嶋かれん、年上じゃないか。40過ぎで4人の子持ちでこの容姿はすごいな。キリンのホームページからCMを何回も見てしまう。

年上の理想形として、ここ一、二年で急激に魅力の褪せた黒木瞳からこちらに乗り換えることにします。

贋作 罪と罰

2006年5月26日 TV
贋作 罪と罰
ときは幕末、場所は江戸。日本初の女性官僚になるためだけに生きてきた三条英(松たか子)は、「優れた人間は、既存の法律や道徳に縛られなくてよい」とのエリート意識から殺人を実行する。しかし予定外の被害者まで出し、罪悪感と逮捕の恐怖に苦しむことに。彼女の異変に気づいた同じ塾生の才谷(古田新太)は心配するが、彼にも大きな秘密があった。そして、英のもとに婚約した妹と母が訪ねてくるが、妹の婚約者・溜水(宇梶剛士)は数々の黒い噂を持つ男。死んだと聞かされていた英の父が現れ、溜水が才谷に近づき、江戸崩壊の足音が聞こえ始める頃、英の後悔もピークに達して……。

WOWOWでやってた再放送を録画、ほんとに再放送があってよかったよ、ありがとう>WOWOW。

大変面白うございました。わし的には10年前の大竹しのぶバージョンも気になるんだが、松たか子の英(はなぶさ)もよろしいな、彼女に合った役どころだと思う。ちょいと中盤ダレるが後半の盛り上がりはさすが、堪能いたしました。

しかし、演劇ってのはなんであんなに声張り上げるんだ。テレビで見てると音量調整が大変だ。舞台で観なさいってことは重々承知で文句言ってみる。
ウルトラマンメビウス
お、今度のウルトラマンは土曜の夕方なんだな、小二の娘が見ているのを横で見ていた。なんでも、初回の先週はウルトラマンがビルの陰に隠れたり、怪獣倒すのに街を破壊したりしてGUIS(地球防衛軍みたいなの)の隊員に怒られてたんだそうで、なんだか頼りなさそうですな。

しかし、見てみると結構いいじゃないか、今回のウルトラマンは久しぶりに本来の視聴者層(つまり子どもたち)のもとに帰ってきたみたいだな。前のウルトラマンマックスのときは、親の世代へのサービスとか新機軸への試みもあったが総じて迷走してたもんな。メビウスは、分かりやすくきちんとしたストーリーがあり、GUISの出撃シーンなんかでも基地からメカが出て行くところを(特撮はチープだけど)じっくり見せている。ウルトラの父を初めとする歴代ウルトラマンとのつながりもあるみたいで、男の子がまさにわくわくするツボをきちんと押さえたつくりになっていると思う。

残念なのは、番組が全国ネットからローカル枠になったことで、せっかく子供が楽しめる内容になったのに見られない地域があるってことだな。まったく皮肉なもんです。
WOWOWオリジナルドラマ 「春、バーニーズで」
会社員・筒井(西島秀俊)は、仕事先で出会った瞳と結婚する。瞳(寺島しのぶ)には離婚経験があり息子・文樹もいたが、瞳の母・正子(倍賞美津子)、瞳の妹で売れない画家の紗江(栗山千明)との関係も良好で、結婚生活に不満はなかった。しかしある時、まるで何かをあきらめてこの生活を選んでしまったような気にさせられてしまう自分に気づく。大きな不満や理由もないのに、別の人生を想像してしまう日々…。そんな春の昼下がり、家族で訪れた新宿のバーニーズ・ニューヨークで、筒井はかつて同棲していたオカマ・閻魔(田口トモロヲ)と偶然、再会する。そして、ふとしたはずみで、その過去を瞳に話してしまい…

ビデオ録画で観る。WOWOWのオリジナルドラマにはずれなし、今回も良いできでした。

贅沢な時間の使い方、地上波ではこんなドラマは撮れないよな。たしかに冗長に思えるところもあるので、もう少し切ってもいいんじゃないかと思うが、全体的には充分満足。こういう、一つ一つのシーンがきちんと撮られた映像って何も起こらなくてもちゃんと見ていられますな。

今生きてる現実ともうひとつのあったかもしれない現実、二つの時間を漠然と感じている筒井。個人的に似た状況のわしは、いろんな意味で彼に感情移入しました。わしは、多少大人になったので、なにかをあきらめて今の生活を選んだというようには考えなくなったが、何かを捨ててしまったようなあの感覚はいまでも覚えている。結論から言えば時間は一つしかないのであるが、これは主人公の引き裂かれた時間の統合の物語であり、わしがいつか通ってきた物語の再演であった。

しかし、いつも思うがWOWOWのドラマに出てくる古参の俳優ってほんとうにいいよね、今回は賠償美津子。安心して見られます。
天保12年のシェークスピア
時は天保、下総国の清滝村。その村で二軒の旅籠や賭場を経営する〈鰤の十兵衛〉は、自分の財産を三人の娘に分け与え気楽な隠居生活をすることを考えていた。そこで三人の娘を呼び出し「この先、自分をどれだけ大切にしてくれるか?」を語らせ、それに応じた財産分与をしようとする。口がうまい長女〈お文〉と次女〈お里〉に対して、バカがつくほど正直な三女〈お光〉。お光はお世辞をうまく言うことができず父の機嫌を損ね、とうとう家を追い出されてしまう。
こうして、まんまと父の財産を手に入れたお文とお里。しかし強欲な2人はそれだけでは飽き足らず、財産の全てを自分のものにしようと、それぞれの亭主を親分にして骨肉の争いを始める。物騒なはかりごとが渦巻く清滝村。そこに突然現れたのが、無宿者の〈佐渡の三世次〉だ。足は不自由で背中にこぶのある彼は、剣術は得意ではないが策略ならお手の物。両家の争いをうまく利用して、清滝村の親分に成り上がろうとする。また一方では、お文の息子〈きじるしの王次〉が父の訃報を聞きつけ清滝村に駆けつけるのだが……。
『リア王』『リチャード三世』『ハムレット』『ロミオとジュリエット』……シェイクスピアの名作が見事に絡み合って生み出された新たな物語! 果たして、この争いの行く末は……。


WOWOWでやってたのを録画して、ちまちまと観てやっと終わった。4時間ってのは長いねえ。蜷川幸雄の舞台を観るのは『ナディア』に続き二度目(どちらもビデオ鑑賞)だけど、今回はそれほど夢中にはなれなかったな。

だいたい、『ナディア』のギリシャ悲劇にしろ今回のシェークスピアにしろ出てくる人物の行動規範や感じ方ってのは現代人とは随分違うから、それを乗り越えて感情移入させるにはそれなりのなにかがないといかんのではないだろうか。『ナディア』ではひとえに大竹しのぶの演技力でそれを補ってしまったが、『天保12年のシェークスピア』ではそれがない。ばたばたと人が死んでいくんだがまったくなんの感傷も湧かない。豪華な顔ぶれで演技に文句もないが、いまいち入り込めないまま終わってしまった。さすがにラスト近くでは盛り上がるのだが、満足とまではいかず。

ドラマ 4TEEN

2005年11月14日 TV
ドラマ 4TEEN
WOWOWのドラマの再放送を観る。

わしは石田衣良の原作を読んでいないが、とてもいいドラマであった。贅沢な撮り方で、映画のようにじっくりと演出されている、途中にCMもないし、ゆったりとした気持ちで観られた。

4人の少年の成長物語ときくと、スティーブン・キング原作の『スタンドバイミー』を思い出すが、これはまさに現代のスタンドバイミーであるな。原作にどれだけ忠実なのかは分からないが、この世界はドラマとして完成されていると思われるので、堪能してしまったわしは原作を読むことはないと思う。

子供たちの演技はけして上手くはないが、とてもいい雰囲気をだしている。菅原文太、中尾ミエは素晴らしい。いや、ほんといいドラマであった。
生きていてくれて、ありがとう〜夜回り先生・水谷修のメッセージ2〜
水谷修について考えると、いつも感情のざわめきがおこり冷静に思考できなくなる。これはおそらく、召喚されまいとする自己保存本能の抵抗なのだと思う。彼の眼は直接わしの脳みそに語りかけてくるので困ったものである。

一人では絶対にどうしようもない問題に、公的機関を利用しながらも、ほとんど一人で立ち向かっている水谷修であるが、その著書と年間300回以上の公演、テレビ番組などによって大きなうねりを作り出している。一日数百通のメールに目を通し、自宅の電話番号も公開しすべての電話に対応する。余命いくばくかの癌患者なんだから、ほんとにもっと自愛してくれとこっちが頼みたくなるな。

番組は、彼のメッセージを的確に伝えていて、視点が定まっており大変よかったです。

君となら

2005年9月4日 TV
君となら
舞台は世田谷の理髪店。バーバー小磯のお茶の間。今日は毎年恒例、 家族揃っての「流しそうめん大会」の日だ。長女・あゆみ(斉藤由貴)は父(角野卓造)と母(高林由紀子)に 40歳も年上の恋人・諸星堅也(佐藤慶)との婚約を報告するはずだったが、 ささいな事から勘違い続出!! 妹(宮地雅子)、従業員(伊藤俊人)、堅也の息子(益岡徹)らも加わって、小磯家は大混乱に陥るのであった。


’95の舞台をビデオで観た(写真は’97の)。三谷幸喜お得意のどたばたで安心して見られる。最後まで飽きさせず、ちょいとほろりがあって大団円とうまくまとまってますな。その場しのぎで肝心なことを誤魔化してばかりいる娘を斉藤由貴が好演。

大変に楽しいお話なんですが、わしには毒がなさすぎです。

メディア

2005年8月21日 TV
メディア
互いの故郷を捨て、夫・イアソン(生瀬勝久)とともにコリントスへと逃れてきたコルキスの王女・メディア(大竹しのぶ)。どんな困難のなかでも深く愛し合ってきたふたりだったが、コリントスの王・クレオン(吉田鋼太郎)が、竜を打ち倒したアルゴー船の船長として名高い英雄でもあるイアソンを、娘婿にと望んだだけでなく、イアソンもまたクレオンの娘を愛するようになってしまう。激しく嫉妬するメディアの怒りの炎に油を注ぐかのように、クレオンはメディアと彼女の子供たちをコリントスから追放しようと画策。それを知ったメディアは、クレオン父娘と夫への復讐を決心する…。


昨日WOWOWでやってた舞台、ナディアをビデオで観る。ギリシャ悲劇だけあって台詞はやたら長いな。舞台には一面に水が張られ蓮の花が咲きほこる。役者は濡れた衣装をまとわりつかせながら演じ、駆け、地団駄を踏む。

いやあ、セットも素晴らしいけど、この芝居では誰もが同じことを言うと思う、大竹しのぶが凄いと。彼女が舞台中で、嘆き、怒り、煩悶し、のた打ち回る。ビデオを通してでさえ、その鬼気迫る演技に惹きこまれる、これが実際に舞台を生で観てたら・・・取り憑かれたようになってたに違いないな。

脇を固める俳優陣もいい。生瀬勝久があんなにかっこいい役もできるなんて知らんかった。わしにとってはいつまでも槍魔栗三助(やりまくりさんすけ)なんだよな。

わしは、今、仙台に住んでいて、この街はとても気に入ってるし何の文句もないんだが、やはり舞台に関してだけは東京がうらやましい。生の舞台を観られる環境ってのはいいよな、そこだけは東京は抜きん出てるもんな。と、改めて思った舞台でした。
だらだらBSを観ていたら「うる星やつら」がはじまり、ほおほお懐かしいなと思ってたら、第75話『そして誰もいなくなったっちゃ!? 』であった。こ、これはわしが高校時代に見逃した回ではないか!原作にはないオリジナルストーリーで次の日仲間内で話題になってたのを聞いて悔しい思いをしていたのだ。

当時、我が家では日曜のPM7:30からのテレビ番組は「うる星やつら」派のわしとNHK「連想ゲーム」派の弟の間で壮絶なチャンネル争奪戦が繰り広げられていた。なぜ年下の弟がじじくさい「連想ゲーム」に固執していたのかはいまだに謎なのだが、まあ、とりあえずその日は「壇さん大和田さんは、壇さん」とかいってるのを見てたわけだ。

20数年ぶりに念願かなって見られたストーリーは面白くて楽しめました。つか、なんでこんなこと20何年間も記憶してたんでしょうね。
ETV特集見逃してたが、運のいいことにビデオが手に入った。松浦亜弥のナレーションは微妙だが、内容はとても良かった。

奥山貴宏は、ガン闘病のブログで脚光を浴びて、結局4冊の本を世に出し作家として亡くなった。ガン闘病っていうと壮絶な感じがするが、彼の場合はあくまでも自分の日常に闘病というものが加わっただけのような、大げさに騒ぎ立てない、そうするのはなんだかかっこ悪いからもう少しクールにいこうやって感じのガン闘病である。この癌患者という個性を利用して、憧れの作家として一旗あげて死んでいこうという彼の目論見は見事に成功したわけであるが、『ヴァニシングポイント』とか読んでるとやっぱり命削って書いたんだろうなと思ってしまうな。ご冥福を祈る。

彼は両親の勧めるホスピス生活を拒否して、あくまで日常のなかで闘病していった。わしが両親でも同じように勧めると思うが、彼の(自分にとって)よりかっこいい方を選択する生き方はたしかに「ロック」だ、最後までそれを貫き通した彼を責める言葉をわしは持たない。この「ロックじゃない」とかいうような物言いをわしは大嫌いなのであるが、彼が使う分だけは特別に「かっこいい」カテゴリーに入れておく。
BS2で劇団☆新幹線の舞台を観る。映画『阿修羅城の瞳』を観て思ったとおり、やはり舞台のほうが面白いな(まあ、演目が違いますが)。テレビで観ても良かったが、生で観たらさぞかし楽しいだろうな、観劇してみたい。

演出や舞台衣装はおいておいて(つまりそこには若干の不満があるということだが)、役者陣はなかなかよろしいんじゃないでしょうか、いい雰囲気でてました。しかし、この舞台の特筆すべきは脚本であるな、素晴らしい。

これだけ数のキャラクターを、それぞれに魅力的な特性を持たせ、またそれぞれにドラマを持たせ、ストーリーは二転三転しながらも訳が分からなくならず、なにより面白い。これはかなりな力量のいる作業である。それを破綻なくやりおおせている中島かずきには敬服する、えらいぞ>中島。

そもそも、わしは伝奇物が大好きで、中高時代は半村良、山田風太郎に始まり、夢枕獏、高橋克彦、荒俣宏、栗本薫、etc・・・ちょうどノベルズ版の伝奇シリーズのブームもあり片っ端から読んでいった記憶がある。そんなわしのツボにずばりはまったエンターテイメントな舞台でした、満足。
昨夜、テレビを見てたらおかしな舞台が始まったので最後まで見てしまった。コンドルズというダンスカンパニーの公演で、演目は『JUPITER』渋谷公会堂の録画だそうです。

http://www.condors.jp/
こういう人たちでした。

というか、はっきりいってわし的にはいまいちであったのだが、不思議だったのは会場の異様な盛り上がり。舞台だからやっぱり生でないと駄目なのかなと思いつつ、あとでネットで調べたらテレビ見て面白くてよかったという意見が早速書き込まれてたり・・・。わしの感性があかんのか?

いや、ダンスはそこそこ面白いと思った(振り付けが)。とくに主催者の近藤良平のダンスはいいと思う。でも、全体のダンスのレベルはお世辞にも高いとはいえないんじゃないか、わしは素人だけど、まったくオーラを感じないぞ。あとギャグがあまりにもつまらん、会場がなぜ大うけしてるのかわしにはさっぱりわからんあるよ(涙)、乳首瞬間移動は笑ったけど・・・。きっと最後には面白くなると信じて終わりまで見ちゃったが乗り切れなかった。

この人たちって、路上なんかで見るとかなり面白いと思うんだけど、どうだろう。でも舞台で世界的に評価も高いみたいだから、やはりわしの感性があかんのだろうな、せめてもう少しギャグに受けれたら良かったのに(なんてだめなわし)。
再放送を録画して、リモコン片手に飛ばし飛ばし見る。ああ、紅白ってこうやって見ると結構いいかも、どーでもいい曲間のやり取りとか出し物はさっさと飛ばし、いまいちと思えば曲ごと飛ばし、そうやってみると結構いいアーティストがいいライブをしてるじゃないかと。

で、目当てだったのはさだまさしの「遥かなるメリークリスマス−紅白バージョン」。うーむ、たしかにこれはすごいな、こんな反戦歌をしかも紅白で歌ってたのか。これをリアルタイムでみてたらかなり感動しただろうな(ビデオでみてもうるうるきたし)。

「僕らはやがて自分の子供を 戦場に送る契約をしたのだから同じこと」
この歌詞が一番ぐっときました。

さだまさしやるのうと思ってちょっと調べたら、この曲をぜひ紅白でやって欲しいとNHK側から打診したみたいね。そしてもともと8分の曲を4分にして紅白バージョンとして歌ったと。でも、世間的にいまいち話題になってないっぽいのが残念。
何とか再放送で視聴、よくできたドキュメンタリーでした。NHKが民放を差し置き一番反権力的なドキュメンタリーを作成するってのはどういう仕組みになってんでしょうね、不思議。

このドキュメンタリーを見て、ある人は自衛隊が軍隊としての力をつけていくことに危惧を覚え、もっと反戦平和を訴えるべきだと感じるだろう。そして、またある人は実際に動ける部隊として成長しているさまに期待を抱き、この番組が反自衛隊色に作りられすぎていることに反感を抱くだろう。この番組は非常に微妙な立ち位置でつくられており、見る人によっていろんなメッセージが得られるであろうと思う。

冒頭に先遣隊が帰国する前のセラピーの模様が映される。4〜5人でグループになり素直に感じたことを吐露することによって、帰国後の社会復帰をスムーズにするものらしい。そこでの隊員の言葉が生々しい「最初は、イラク人全部が敵に見えた」とか「砲弾が飛び交う中に自分がいるんだなあと実感した」とかが語られる。いや、よく撮れたね。

自衛隊が、幾度もの派遣の繰り返しにより、データを「教訓」をしてフィードバックしより実効的な組織として成長しているさまが映し出される。しかし、実際にイラクでやっている活動は情報戦として地域住民に受け入れられるようにがんばってるということしか見えてこない。たしかに、自衛隊自体はイラク戦争の本質的な問題には触れようがない、ただあるのはこの派遣を通じて自衛隊自身を軍隊として鍛えなおそうという幕僚の意図と、本当にイラクにとって人道支援として役に立っているのかはあやしいけれど対米関係のため派遣に踏み切っている政治的意図である。

本編中に、イラクの情報戦には旧日本軍の北支統治の資料を参考にしてるとの内容があった。自衛隊幹部が得意げに話すところに、レポーターが「旧日本軍と自衛隊は断絶しているのではないのですか?」と突っ込む、幹部がちょっと困ったように「まあ、いいものはそういうのにかかわらず使うということで」(表現はニュアンス)との返答。なるほど、たしかにその通りだろう、いいものは使う(まあ、金ばら撒くとか宣伝して好感度を上げるというぐらいの話なんだが)ってのは当然だ。しかし、北支の資料を使うってのはイラクに対して植民地統治の方法論をもってするってのと紙一重だ。そしてそれも自衛隊幹部がそのことの危険性を意識してやっているならいい、だが、その意識があるとはまったくいえない。なぜなら、取材に対してのうのうと旧日本軍の資料参考にしてますと御開陳してるんだから・・・危険性を認識してたらそんなことカメラの前でいえるわけない。

このドキュメンタリーを通して感じたのは、自衛隊幕僚には自分たちの所属する組織を(いろんな意味で)強くしたいという組織人としての本能があり(それはいいにしても)本人たちがそれを露呈してしまっていることに無自覚だということだ。それは、つまり自分たちの立ち位置をしっかり考えられていないということであり、そこにとても危惧を覚える。

最近批判の多いNHKであるが、こんな内容のドキュメンタリーは(今のところ)NHKにしか撮れないのでなんとかがんばってもらいたい。
見逃したのは、1・29「ドキュメント陸上自衛隊イラク派遣の一年」。ここんとこますますテレビ見なくなって、たまに見ようと思うのもどんどん見逃すなあ。まあ、再放送あるみたいだから今度こそ忘れないようにしよう。

最近、何かと批判の絶えないNHKであるが、わしはこの手の番組には基本的に信頼を置いている。意外と国に対する批判的な内容のものがあったりするし。NHK不要論もよく聞くがことドキュメンタリーや教養番組については民放の追随を許さない品質ではないかと思うんですがね。

昨年の12・18NHKスペシャル「イラク最前線でなにが起きていたか」なんかはすごく良かった。(撮ったのは他国のメディアだとしても)いまの民放ではなかなかこれだけ質の高い反アメリカ、反イラク戦争の報道はできないだろうと思った。

「イラク最前線でなにが起きていたか」は2部に分かれていて、1部「イラク駐留 アメリカ州兵部隊」ではアーカンソー州兵(普段は普通の仕事を持ち、災害救助とかに従事する一般の市民)がイラクに駐留したルポタージュで、(本来は神父や養鶏場の主である)彼らが旧式の装備で正規軍のなかに放り込まれる戸惑い、戦争に対する思いを赤裸々に描きだしていた。

2部「支局はこうして閉鎖された 〜アルジャジーラとアメリカ〜」では、アメリカのファルージャ攻撃をイラク市民の側から中継したアルジャシーラバクダッド支局がアメリカの圧力によって閉鎖に追い込まれていくさまを報道し、イラク人側からの報道ができない現状を訴えていた。ラムズフェルドが(アルジャジーラが)米国人捕虜の映像を流したことをジュネーブ条約違反だと非難するシーンもあり、まったくなにかのブラックジョークですかと・・・。

最近、ネットの影響も馬鹿にできなくなってきてるが、やはりテレビの影響力はすごいのでがんばって欲しいな>NHK

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