LOVE

2011年7月21日 読書
古川日出男である。実験的な試みがなされているのも分かるが、この小説はわしとしてはむしろエンターテイメントに徹して欲しかった。だって、魅力的な登場人物達がもったいなさすぎる。エンディングにむけて物語は加速しようとしているのに、えええこれだけですか、ちょっと食い足りない感を残して終わってしまう。もっともっと登場人物の絡みを増やして練り直して欲しい、つくづくもったいない。

東京の猫の勢力興亡史やら、猫を何匹数えられるかを競い合うといったガジェットも面白いし、「僕は速度だ」のジャキも、都バス少女も、さすらいの料理人も他にもキャラクターは総じて魅力的というか、バラエティに富んでていうことないし、ああ、それなのになんで素直に話に入り込ませてくれないんだよ。もっと、こことここをこう組み合わせて、こんな展開を加えつつとかついつい考えてしまう。

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