まさにわしの生活を支えてくれた台。

もう20年ちかく前の台で、しかもマイナーな台だったのでネットを調べても画像もなかった。わしらの間では「10発台」とか「じいさん台」と呼ばれていた、羽モノよりもさらにおとなしいチューリップと役モノ主体の台であった。

それは、ある先輩が強め打ちによる役モノ右からの攻略を発見したのが最初だった。それからは、その地域では学生が群がるようにカルテット右打ちを始めた。まだまだおおらかな時代で店もだからといって大した対策もうたなかったので、半年ぐらいは恩恵にあずかることができた。なにしろ「じいさん台」なので、玉はなかなか増えず、でも時給にすると2000円ぐらいにはなるというまさにバイト感覚であった。

当時は、バイトも辞め弓道中心の生活を送っていて、とにかく金がなく、コンビニでバイトしてる友人から廃棄の弁当を恵んでもらうぐらい極貧の生活をしていたので、200円の投資で確実に勝てるこの機種は本当にありがたかった。

そして、何よりこの機種がわしに与えてくれたのは金だけではなかった、この台のおかげで釘が分るようになったのだ。毎日、毎日同じ台を打っていた結果、店がどの釘をいじったか少しずつ分るようになってきて、そのうち、この台はこことここの釘をいじって、こっちはここを締めたなというところまで分るようになった。釘を締めたら打たないし、開けたら打つ。他の釘を読めない学生連中は店がちょっと締めだすと勝てなくなりあっという間にいなくなった。わしと友人Nだけが、ながく台入れ替えのときまで糧を得ていったのである。

いやほんと、ありがとう。あのときは助かった。

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